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ヤマト運輸下請けで暴力、ドライバー労災認定 トラックに叩きつけられ、精神疾患に
会見に参加した男性(2020年1月30日、弁護士ドットコム撮影、東京・霞が関の厚労省記者クラブ)

ヤマト運輸下請けで暴力、ドライバー労災認定 トラックに叩きつけられ、精神疾患に

ヤマト運輸の下請け会社で働いていた30代男性が、同僚からの暴力などが原因で精神疾患を発症したとして、池袋労働基準監督署に労災認定されたことがわかった。男性と労働組合が1月30日、記者会見を開き明らかにした。認定は2019年11月22日付。

同僚は罰金10万円の略式命令を受けたが、現在も勤務しているという。男性は「事件後しばらくは全く寝れず、1時間程度で起きる日々が続いていた。少なからず人生が狂わされた。社会が加害者を野放しにしていることはおかしい」と訴えた。

●同僚から暴行「ボコボコにしてやるから」

男性の加入する「労災ユニオン」によると、男性が働いていたのは有限会社栄光運輸(東京都豊島区)。主にヤマト運輸の下請けをしている。男性は2016年8月、法人や物流会社に集荷するドライバーとして入社した。

2018年9月、男性が同僚に業務連絡した際に因縁をつけられ、埼玉県内の駐車場で一方的な暴行を受けた。トラックから強引に降ろされ、「ボコボコにしてやるから、警察でも呼んでみろ」などと言われながら、トラックに体を叩きつけられたという。

男性は背中の打撲など全治2週間のけがを負い、精神科で不眠症などの診断を受けた。

男性は被害から数日後、警察に相談。担当刑事から「報復が考えられるため、被害届の提出はよく考えてからしたほうがいい」と説明されたが、2018年10月に被害届を提出。さいたま地検は加害者の同僚を傷害の罪で略式起訴し、さいたま簡裁は2019年3月、罰金10万円の略式命令を出した。

男性は2019年4月に退職したが、現在も抑うつなどの症状が続いており、仕事を再開できていないという。

栄光運輸は弁護士ドットコムニュースの取材に「担当者が不在」と答えた。

●ユニオンが無料相談ホットライン開催

池袋労基署は、男性が治療を要する程度の暴行を受けたことが原因で、精神障害を発病したとして、3段階ある心理的負荷は「強」と評価した。「労災ユニオン」の佐藤学さんは「職場の暴力に関する相談は、刑事罰になるものも増えてきている」と話した。

「労災ユニオン」は2月1、2日に「職場の暴力無料労働相談ホットライン」を開催する。受付時間は13時〜17時で、番号は0120-333-774。

この記事は、公開日時点の情報や法律に基づいています。

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