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2020年01月03日 09時24分

コンビニ「元日休業」の実際 「休まらなかった」とオーナーが語る理由

園田昌也 園田昌也
コンビニ「元日休業」の実際 「休まらなかった」とオーナーが語る理由
ファミリーマート宮崎中央通店

飲食業界などを中心に広がる「元日休業」。2020年1月1日は大手コンビニでも休業実験がおこなわれた。ただし、その規模はセブンイレブンが首都圏の50店舗(直営店)、ローソンが25都道府県の102店舗(加盟店)と少なかった。

コンビニ加盟店の中には「契約違反」を覚悟で、自主的に元日休業に踏み出したオーナーもいる。

弁護士ドットコムニュースでは、自主的に元日休業をしたセブンとファミリーマートのオーナーに話を聞いた。

●オーナー自身は店舗で仕事

宮城県のセブン仙台長町駅前店のオーナー豊木茂さんは迷っていた。

例年、1月1日は客が少なく、売上も落ち込む。たとえば、2019年元日の売上は約35万円。売上・客数は同年12月平均の5~6割ほどだという。

豊木さんは2019年9月、本部に元日休業を宣言。12月上旬にはスタッフに説明し、店舗にも「12月31日の21時から1月2日の6時まで休む」と掲示もした。

ところが、12月20日、同じく元日休業を宣言していた東大阪のセブンオーナー松本実敏さんに契約解除が通告されてしまった。

「もともと、セブン本部に元日休業のことを話したら、契約解除の理由になるという書面が届いていたんです。松本さんのこともあり、スタッフは休みのまま、自分一人で元日営業しようかとも考えました」

ただし、セブン本部は報道陣に対し、松本さんの契約解除の理由はクレームの多さと本部に対する誹謗中傷であって、時短などとは「一切関係ない」と強調し続けた。

「休業の張り紙はそのままにして、本部の様子をうかがっていました。12月27日に休むなという『警告』の文書が来ましたが、『契約解除』の文字がなかったので、改めて『休みます』と伝えました。それ以降は何も言われていません」

店は元日に休業したが、豊木さん自身は15時半~22時ぐらいまで店舗にいたという。1月2日の営業のため、商品の受け取りや発注などの作業が発生するからだ。

「人手が足りないのはスタッフも分かっているから、例年休みたくても言いだしづらい状況があって申し訳ない思いだった。今回、スタッフがゆっくり過ごせたと聞けたのが何よりよかった」

本部からはまだ何も言われていないが、1月1日には地区のマネージャー(DM)が店舗の状況を確認に来たといい、不安もある。

「元日に休んだだけでなく、前後の日も閉店時間を早めています。本部は夜23時~翌朝7時以外の閉店を認めていないので、これも契約違反になってしまいます。今後、本部と改めて協議していければと思っています」

●「コンビニは休業できるシステムではないと再確認」

宮崎県のファミリーマート宮崎中央通店も1月1日を丸々休業した。オーナーの高橋義隆さんはコンビニ加盟店ユニオンの副執行委員長でもある。

ファミマはこの年末年始、本部社員がオーナー業務を代行する「店長ヘルプ制度」の体制を整え、1月1日は109店舗が利用した。一方、高橋さんはこう話す。

「元日休業について、(エリアフランチャイザーの)南九州ファミリーマート本部からはやめるように言われました。ただ、店長ヘルプ制度の説明はありませんでした。首都圏などと違って、地方では人数を揃えられないのかもしれません」

例年、元日の売上が低いことや、スタッフを休ませたいという思いに加えて、元日休業のメリット・デメリットを、身をもって体験したいという考えもあったそうだ。

そして、実際にやってみたところ、高橋さんには「元日休業」は向かなかったという。

「荷受けなどで、家と店舗を行ったり来たり。改めてコンビニは休業できるシステムではないと感じました。立地が飲屋街なので店の防犯も気になり、気が休まりません。自分は元日休むより、元日に大幅時短の方が良いと感じました」

「仕事に依存というか、いつも忙しくしていることで精神の安定を得ていたのだとも気づきました。今は自分たちの働き方をいっそう見直さなくてはという気持ちです。今回、スタッフが休めたのはとても良かった」

●「まずは時短から」

経産省の有識者検討会は2019年12月23日、店舗の休日について「店舗の事情に応じて柔軟に認めることを検討すべき」などとする報告書の骨子をまとめている。

一方、高橋さんは、コンビニに休日はまだ早いと感じている。

「休業中、駐車場を閉鎖し、店舗の灯りも消しているのに、店のドアのところまで来たお客さんがいました。コンビニは休まないということが浸透しているのだなと実感しました」

コンビニにとって、いつも開いているというのは、他の小売店と比較したときの強みといえるだろう。

「だけど今は、加盟店に24時間365日やれる力がなくなりつつあります。この路線を継続するのであれば、加盟店にそれが可能なだけの資力が必要で、ロイヤルティーの見直しは不可欠だと思います」

見直しができないのであれば、店舗の状況に合わせ、営業時間の柔軟性を高めていくべきというのが今の考えだという。

「店舗が閉まっていることもあるとお客さんにも浸透すれば、休日も実現するかも。元日休業をしてみて、時短をしていない店が正月だけ閉めるのは大変だと感じました。まずは短時間でも店を閉める体験が広がると良いんじゃないでしょうか」

元日休業について、本部からはまだリアクションはないが、加盟店と本部の「共存共栄」のため、体験して感じたことは取りまとめて共有するつもりだという。

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