遺産相続の解決事例
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【弁護士の取り得る手段を駆使した遺産調査と不正使用調査、財産目録作成】

40代 男性
この事例の依頼主 40代 男性

相談前の状況 父が亡くなり、母と子数名が父の遺産を相続した。

父には、自宅不動産のほか、複数の土地、預貯金口座、株式、保険、自宅保管の多額の現金等の遺産があったが、母は認知症で高齢者施設に入所しており、父の死亡後、子の一部が父の自宅に侵入してこれらの遺産を持ち去っており、遺産の全容が分からず、遺産の内容の調査と同人の不正使用の事実調査のため、弁護士に依頼があった。

解決への流れ 法定相続人であれば、ご自身でも、他の相続人の同意無く金融機関に父の預貯金口座の有無と内容について調べてもらうことができるのが原則です。

ただ、戸籍謄本等の必要書類を全て自分で調べるのも大変ですので、弁護士が代行して行うことにしました。

まず、自宅内の調査を実施して当たりを付けた上で、保険については、国内には数十社の保険会社があり、父の同意無く保険の有無を調べることは困難な作業です。

しかしながら、弁護士会照会といって、弁護士が弁護士会を通じて損害・生命各保険協会に父の保険の有無及びその内容について照会をかけて回答を得ることができるため(但し現在はその運用が廃止されており工夫が必要です)、それを実施しました。

また、株式は、判明している証券会社に対して同様に照会をかけてその有無及び内容を明らかにしました。

問題は、現金があったことは間違いないものの、同居者もなく、そのことを証明する作業が困難なことでした。

ただ、父は公務員で数年前に退職金を受給しており、また、金融機関から現金を引き出して自宅に保管していたことが分かりましたので、口座照会や職場に対する上記文書照会等の手法により、「少なくともこれ以上の金額が自宅にあった」という限度で、自宅にあったはずである現金額を推定する調査を実施しました。

また、不動産に関しては、市内に所有する固定資産台帳を役所で調べれば市内の所有不動産の有無及び内容は判明しますので、その調査を実施しました。

これらの調査により、概ね遺産の内容が判明しましたが、母は認知症で判断能力が無かったため、遺産分割協議ができず、成年後見人を選任する必要がありました。また、相続人の一部には、戸籍を調査しても不明な行方不明者もいましたので、不在者の財産管理人を選任する必要がありました。

これらの作業とともに、前述のとおり、遺産を持ち出した者に持ち出した遺産の内容の照会と使った内容について文書照会をしましたが、これに応じなかったため、家庭裁判所に遺産分割調停を申し立てることにしました。

弁護士会照会では回答が得られなかったものが一部有り、弁護士会照会よりも広範な回答が得られることの多い家庭裁判所の調査嘱託という制度により、更に照会を掛けました。

また、遺産を持ち出した者に弁護士が就き、これら照会により持ち出した遺産の内容がある程度明るみになっていましたので、その返還を求めると共に、持ち出された現金額が不明であるkとおから、持ち出した者の銀行口座通帳の開示を求め、一部が出されても、「公共料金、新聞、保険、家賃、電話等の料金の引き落としがあるはずのところ、それらが出ていない」などと指摘して順次開示を求め、これらの作業で概ね明らかになった限度で、法定相続分通りの内容に分ける遺産分割協議を成立させました。

中村 浩士 弁護士 中村 浩士 弁護士からのコメント 相続財産の全容は、同居者がいれば分かりやすいですが、そうでない場合には、困難を伴うことが多々あります。

ただ、弁護士会照会や裁判所の調査嘱託、自宅の調査等により一部は明らかになることが多く、かつ、これらの制度利用も、財産調査に慣れた弁護士とそうではない弁護士とでは、自ずと差が出てくる可能性がありますので、調査に慣れた弁護士にご依頼されることをお勧めします。

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