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マンションに届く「ネット回線」の怪しいチラシ…会社名なく、QRコードの先には「個人情報」入力フォーム
「ネット回線受付センター」と名乗るチラシ(2026年10月、弁護士ドットコムニュース撮影。電話番号にはモザイクを入れています)

マンションに届く「ネット回線」の怪しいチラシ…会社名なく、QRコードの先には「個人情報」入力フォーム

マンションのポストに届いた「インターネットに関するご案内」。管理会社からのお知らせかと思いきや、よく読むと、どこの会社が発行したのかわからない──。

そんな不審なチラシが、都内の集合住宅に投函されていた。

差出人は、高速インターネットの利用を案内し、QRコードから訪問希望日時を登録するよう促している。

SNSでも同じ名称によるチラシが届いたという報告があり、「管理会社装ってるのがまた小ズルい!」「普通は社名くらい書かんかね」といった声が上がっている。

実は、消費者庁も過去に、管理会社を装ったインターネット回線の勧誘について注意を呼びかけていた。

このチラシは一体、何を目的としているのだろうか。

●「高速ネット」でも運営会社の名前がない

弁護士ドットコムニュースが入手したのは、A4サイズの紙の両面に印刷されたチラシだ。

情報提供者によると、都内にあるマンションのポストに、ビニール袋に入った状態で投函されていたという。

宛名には「お住まいの皆様へ」、件名に「インターネットに関するご案内」と書かれている。本文では「データ容量無制限の高速インターネット・Wi-Fiサービスをご案内できることとなりました」と説明。

すでに別の回線を契約している住人に対しても、「ご契約状況により、解約違約金や工事費残債等を弊社にて負担できる場合がございます」と乗り換えを促すような内容が記されていた。

気になるのは、発行元の表記だ。

「回線設備担当 ネット回線受付センター」とあるものの、運営会社の法人名や、サービスを提供する通信事業者の名前は見当たらない。

一方、チラシには「本設備のご利用は強制的なものではなく、任意となっております」「本資料はネット回線受付センターが発行したものであり、管理会社発行ではございません」との注記もあった。

画像タイトル 東京都内のマンションのポストに投函されたチラシ(2026年10月、弁護士ドットコムニュース撮影)

●QRコードの先には個人情報の入力フォーム

チラシの裏面には、「ご希望日時の登録方法」と題して、「回答期限」や「ご訪問可能日カレンダー」が書かれていた。

カレンダーを見ると、10月14と15は、なぜかすべての時間帯に「×」が付いていた。

さらに記載されたQRコードをスマホで読み込むと、Googleフォームのページに移動した。

タイトルは「高速インターネット 設備導入のご説明|訪問希望日時の受付」。

フォームには、氏名や住所、携帯電話番号を入力する欄があり、希望訪問日を第2希望まで登録し、希望する時間帯を選択する仕組みになっていた。

つまり、案内に従って申し込もうとすると、誰が運営しているのか明確ではない窓口に、住所や電話番号などの個人情報を伝えることになる。

チラシには、東京都渋谷区内の住所と電話番号も記されていた。

住所を調べると、飲食店や商業施設、オフィスなどが入るビルの所在地と一致した。インフォメーション窓口に問い合わせたところ、この建物の地下一階にはシェアオフィスが入るエリアがあるということだったが、その運営会社は取材に「入居者の情報はお答えしかねる」と回答した。

画像タイトル チラシに記載されていたQRコードを読み込むと、Googleフォームのページに飛んだ(2026年10月、弁護士ドットコムニュース撮影)

●「うちにも同じの来た」SNSでも不審がる声

このチラシは、ほかの集合住宅にも届いているようだ。Xでは、同様のチラシについて、こんな声が上がっている。

「うちにも同じの来てたな…」 「管理会社装ってるのがまた小ズルい!」 「普通は社名くらい書かんかね」

インスタグラムでも「悪質とまでは断定できないにせよ、警戒心低めの人をターゲットにした営業代行っぽい。なにより、内容の雑さに違和感」との投稿があった。

また、同じようなフォーマットを使いながら、異なる名称を名乗る業者のチラシも確認されている。

ただし、これらが同一の事業者によって配布されたものかどうかは不明だ。

●消費者庁も注意喚起「まずは管理会社に確認を」

こうしたインターネット回線の勧誘をめぐっては、消費者庁も過去に注意を呼びかけている。

2021年6月に、自宅に配られる不審なチラシに注意するよう呼びかけており、以前から確認されている現象のようだ。

消費者庁の公表された資料によると、管理会社を装い、光ファイバー設備がない集合住宅にチラシを配布して、連絡してきた住民にホームルーターなどの契約を勧誘する事業者が確認されたという。

消費者庁は「疑問や不安を感じた場合は、まずは、御自身の集合住宅の管理会社に確認してください」と呼びかけている。

今回のチラシが、消費者庁の指摘した事案と関係あるのかどうかは確認できていない。

画像タイトル チラシに記載されたQRコードは、Googleフォームのページに飛ぶようになっていた(2026年10月、弁護士ドットコムニュース撮影)

●「その場で契約しないで」国民生活センターも呼びかけ

インターネット回線をめぐるトラブルは、チラシによる勧誘だけではない。

国民生活センターも今年7月、「光回線サービスの電話勧誘トラブルが増えています」として、消費者に注意を呼びかけた。

「突然電話がかかってきた際は、必ず事業者名とサービス名を確認しましょう」

「電話がかかってきた日に契約しないようにしましょう」

「契約書面が届いたらすぐに内容を確認し、契約後にキャンセル・解約したいと思った場合は、速やかに契約先事業者に申し出ましょう」

「不安に思った場合や、トラブルが生じた場合は、すぐに最寄りの消費生活センター等に相談しましょう」

全国共通の消費者ホットラインの「188(いやや)」に電話すれば、最寄りの消費生活相談窓口につながる。

●記載の電話番号に電話かけた結果…

弁護士ドットコムニュースは10月20日午前、「ネット回線受付センター」を名乗るチラシに記載されていた電話番号に電話したところ、音声案内につながった。

新規申し込みや日程変更、マンションの住民か否か、マンションの管理人やオーナーか否か、などの質問に対して、示された番号で答えたうえで、折り返し希望と、携帯番号、所属、名前を伝えたものの、「担当者に申し伝え、必要に応じて折り返しご連絡させていただきます」という音声が流れて切れた。

その後、記事が掲載されるまで折り返しの電話はない。

試しに、非通知でも電話をかけたが、「迷惑電話防止および適切な対応記録のため、非通知のお電話は受け付けておりません」という自動音声が流れた。

この記事は、公開日時点の情報や法律に基づいています。

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