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「犯罪者には永久に払わない」GMO熊谷正寿氏、80億円要求に徹底抗戦…会見では涙声になる一幕も
熊谷正寿会長兼社長(GMOインターネットグループのYoutubeより)

「犯罪者には永久に払わない」GMO熊谷正寿氏、80億円要求に徹底抗戦…会見では涙声になる一幕も

「一歩たりとも犯罪者にお金を払うことはしない」

GMOインターネットグループの熊谷正寿会長兼社長は11月2日、グループ傘下のGMOインターネットが提供する「お名前.com デスクトップクラウド」への不正アクセス問題をめぐる記者会見で、攻撃者に金銭を支払わない方針を強調した。

今回の問題では、攻撃者側から5000万ドル(約80億円)を要求されている。熊谷氏は「彼らの最大の目的はお金です。助長するようなことはしません」と述べ、「永久に支払わない」と宣言した。

会見では、AIの急速な発展がサイバー犯罪を加速させているとの持論も展開。「一番最初にこのスピードに合わせたのは犯罪者です」と警鐘を鳴らした。

一方、長年インターネット事業に携わってきた自身の思いを語る中では、言葉を詰まらせ、涙声になる場面もあった。

●「できることは全て行いたい」

熊谷氏は会見で、顧客に対して誠実に対応することが基本姿勢だと説明した。

「私たちができることは、すべておこないたいというふうに願っておりまして、少しでも信用回復につながるように全力で実行せよと指示を出しております」

今回の問題について、グループ全体で真摯に向き合い、解決に取り組むよう指示しているという。

熊谷氏は、長年にわたってインターネット産業に携わってきた自身の経営姿勢にも言及した。 GMOグループの社是・社訓「GMOism」では、「すべての目標は、お客様の笑顔」という考え方を掲げてきたという。

「私は一度たりとも『儲かる』『儲ける』という言葉を使ったことはありません。社員にご確認ください。お客様に喜んでもらいなさいと。だから一番いいサービスを作りなさいと。そう言ったこと以外ございません」

顧客の笑顔が結果として利益につながり、株主の笑顔にもつながる。こうした思いを語る中で、熊谷氏が言葉を詰まらせ、涙声になった。

●「毎日情報漏洩のニュース」AIの発展が原因と指摘

熊谷氏は今回の問題を踏まえて得た知見として、インターネットを取り巻く環境の変化について持論を展開した。

熊谷氏によると、GMOグループは2003年から、スマートフォンやパソコン、サーバーなどの通信を暗号化するHTTPSに関わる認証局事業に参入している。

熊谷氏は「安心で安全なインターネットになってもらいたい」と考え、事業に取り組んできたと振り返った。

そのうえで、現在は情報漏洩が相次いでいると指摘。「自分たちのことを棚に上げるために申し上げているのではありません」「今回の件は私どもの先ほどご説明した通りの内容です」と断ったうえで、次のように述べた。

「毎日情報漏洩のニュースが流れているのは、これはAIの発展が原因であります」

●ChatGPT登場で「とんでもないことが」

熊谷氏が大きな転換点として挙げたのが、2022年11月30日のChatGPTの登場だ。

当初は、一時的な流行なのか、それとも大きな変化なのか判断しかねていたという。

しかし、翌年1月、2月と時間が経つにつれて、「とんでもないことが起こっているのではないか」と考えるようになったと振り返った。

その後、グループ全体にAIへ真摯に取り組むよう指示し、さまざまな施策を進めてきたという。

熊谷氏は、AIの進化は従来の延長線上では捉えられないほど加速しているとの認識を示した。特に、この半年間で変化が激しくなっている理由について、「AIがAIを開発しているからです」と説明した。

かつては人間がプログラミングを書いていたが、その後は人間とAIが協働するようになり、現在では「AIが自らをコーディングし、エンジニアさんはそれを監督している立場に変わった」という。

●「一番最初にこのスピードに合わせたのは犯罪者」

熊谷氏は、AIが今後、社会や生活のさまざまな場面に組み込まれていくとの見通しも示した。

企業や個人、社会全体がAIの急速な変化に対応する必要があるとしたうえで、こう語った。

「一番最初にこのスピードに合わせたのは犯罪者です」

熊谷氏は、犯罪者がAIという「便利なツール」を使い、個人の生活や企業、社会を脅かしているとの認識を示した。

そして、今回の不正アクセスで攻撃者側から金銭を要求されていることを念頭に、改めて支払いを拒否する姿勢を強調した。

「だから私たちは一歩たりとも犯罪者に、お金を払うことはしないと。彼らの最大の目的はお金です。助長するようなことはしません。永久に支払わないと申し上げたのはそういうことです」

「インターネットを世界の宝物として、きれいにしてから死んでいきたいと思います。こんな犯罪者のツールになっているインターネットのまま、この業界から撤退し、あとは任せたよとは言えません。僕は命をかけてこの産業を多くの方の笑顔のツールにしてから死ぬつもりです」

この記事は、公開日時点の情報や法律に基づいています。

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