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2020年07月25日 09時36分

「自称無職」の知人、借りた「33万円」返さずリア充暮らし? 貸し主は激怒「詐欺ではないんですか」

「自称無職」の知人、借りた「33万円」返さずリア充暮らし? 貸し主は激怒「詐欺ではないんですか」
写真はイメージです(ABC / PIXTA)

知り合いや友人に貸したお金がいつまでも返済されず、悩んでいる人がいる。

ネット上にも「元カレに貸したお金を請求したらブロックされた」「今まで人に貸した金の半分は返ってきていない。あげたと思うしかないのか」など、泣き寝入りせざるを得なくなった人たちがやるせない気持ちを投稿している。

弁護士ドットコムにも「知人に貸したお金が返ってこない」という相談が寄せられている。

相談者は、「無職で収入がない」という知人に、複数回にわたってお金を貸した。金額はあわせて33万円になるという。

相談者が催促するたびに、知人は「すぐに就職して返済する」「40万円にして返す」などと言っていた。しかし、その後も就職することはなく、返済されないまま1年が経過した。

ところが、相談者が知人のSNSをみると、知人は女性と同棲し、遊び歩いたり、買い物などをしていることがわかった。

●「詐欺罪」にあたる可能性はある?

相談者は「警察に被害届を出してもいいのでしょうか」と聞いている。知人の行為は「詐欺罪」にあたる可能性はあるのだろうか。

池田誠弁護士は、次のように説明する。

「詐欺罪が成立するためには、故意に、人を騙す行為(欺罔行為)をして、騙された人が真実と異なった認識に陥り(錯誤)、その誤った認識が原因でお金などを交付したり、サービスを提供したりし(処分行為)、騙した人や第三者がその利益を得ることが必要です。

今回のケースも、そもそも返すつもりがないのにお金を借りたとすれば、借入の申入れが『騙す行為』にあたり、詐欺罪を構成する余地があります。

ただし、返すつもりがあったかどうかは、借入を申し入れたその友人の当時の内心の問題です。そのため、単に『必ず返すから』などと言われ、それを信じてお金を貸しただけでは、騙す行為をしたことを裏付けることは困難です」

●「騙す行為」があったと裏付けるには?

では、「騙す行為」があったことを裏付けるためには、どのような証拠が必要になるのだろうか。池田弁護士は、実際に被害届を出す場合の注意点について、次のように語る。

「借入の申入れを受けるときに、資金の使い道や返すあてを確認してこれを証拠化しておき、それらが明白に事実に反していることを主張できる必要があると考えます。

たとえば、『家族の闘病資金が不足しているので貸してほしい』と頼まれたのに、実際にはその友人の家族で闘病している人がいなかったり、『大手企業に就職が内定しており、就職後にすぐに返せる』と言われたのに、就職の内定をどこからももらっていなかったりした場合などです。

また、お金を貸した後、返せない理由について『嘘』の説明をされる場合もあるでしょう。このような場合も、注意していただくべきことは、借入の申入れを受けるときと一緒です。

ただ、冒頭で述べたとおり、詐欺罪の成立には、騙された人が騙されたことで何らかの『処分行為』をする必要があります。

今回のケースでは、たとえば、相談者が騙されて一部の債務を免除したり、返済の猶予を与えたりすることが必要になります。そういった事情もなく、単に返せない理由について嘘をつかれただけでは、直ちに詐欺罪を構成することにはなりません」

●被害届が受理されないということも?

池田弁護士によると、このような注意点を踏まえて証拠を準備したとしても、警察では被害届を受理しないことが少なくないという。いったい、なぜなのだろうか。

「理由の1つにその警察署が『犯罪被害地を管轄する警察署ではない』点を挙げることがあります。しかし、犯罪捜査規範61条には、管轄を問わず被害届を受理しなければいけないことを明記していますので、本来被害届を受理しない理由にはなりません。

また、被害の事実が明らかではない点を挙げることも少なくありません。しかし、平成31年3月25日警察庁丙刑企発第59号によれば、被害届は『内容が明白に虚偽又は著しく合理性を欠くものである場合を除き、即時受理すること』とされています。つまり、被害の事実が明白でないことも、基本的には被害届を受理しない理由にはなりません。

さらに、『民事不介入』を理由として被害届を受理しない対応も多く見られます。しかし、告訴・告発に関する通達にはなりますが、平成15年4月1日通達甲第15号は『要件の整った告訴等について、民事事件絡みであることを理由に、受理を回避しない』と定め、『民事不介入』の態度を戒めています。

つまり、警察が被害届を受理しない理由は、法律上根拠がないことが少なくありません」

●事件化される可能性はある

お金を返すつもりがない知人などにお金を貸してしまい、返ってこなかったとしても、場合によっては「刑事事件」として扱ってもらえる可能性はある、と池田弁護士は説明する。

「具体的な事情の聴き取りと証拠化を通じ、詐欺事件とすることは可能です。上述したように、詐欺被害について被害届が受理されにくい実態はあるものの、一定の知識をもって粘り強く対応すれば、被害届が受理され、事件化される可能性は十分にあります。

ただし、被害届は告訴・告発とは異なります。警察が被害届を直ちに検察官に送付したり、検察官が起訴・不起訴等の結果を速やかに届出人に通知したり、不起訴の際にその理由を届出人に告知したりする義務を負うものではありません。あくまで、単に犯罪事実を申告したに過ぎない性質の手続であることに注意が必要です」

取材協力弁護士

池田 誠弁護士
証券会社、商品先物業者、銀行などが扱う先進的な投資商品による被害救済を含む消費者被害救済や企業や個人間の債権回収分野に注力している下町の弁護士です。債権回収特設ページURL(https://nippori-law-saikenkanri.com/)

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