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2020年02月15日 09時30分

父が自殺、原因は家にやってきた不倫相手…子どもから慰謝料請求できる?

父が自殺、原因は家にやってきた不倫相手…子どもから慰謝料請求できる?
写真はイメージです(Fast&Slow / PIXTA)

父親の自殺原因を作った女性に、子どもたちから慰謝料を請求できないかーー。このような相談が弁護士ドットコムに寄せられている。

相談者は夫と未成年の子どもたちと暮らしていた。しかし、夫には不倫関係を約4年ほど続けている女性がいた。

ある日、不倫相手の女性が突然、相談者たちが暮らす家に乗り込んできた。いつまで待っても、夫が妻である相談者と別れないため、しびれを切らしてやってきたという。夫婦関係は壊れ、夫は自殺した。

父親を突然失った子どもたちは、精神的にダメージを負い、安定剤や睡眠薬を処方されているそうだ。相談者も相手女性に慰謝料を請求中だが、「子どもたちから相手女性に慰謝料を請求することはできますか?」と聞いている。

このような場合、精神的な傷を負ったとして、子どもたちから父親の不倫相手に慰謝料を請 求することはできるのだろうか。宮地紘子弁護士に聞いた。

●子どもたちから不倫相手に慰謝料を請求することは「原則としてできない」

ーー子どもたちから父親の不倫相手に慰謝料を請求することはできるのだろうか

「子どもたちから不倫相手に対して慰謝料を請求することは原則としてできません。

最高裁(昭和54年3月30日判決)は、『父親がその未成年の子に対し愛情を注ぎ、監護、教育を行うことは、他の女性と同棲するかどうかにかかわりなく、父親自らの意思によって行うことができる』。そして、他の女性と同棲したことにより、未成年の子が父親から愛情、監護、教育を受けることができずに不利益を被ったとしても、そのことと不倫相手の女性の行為との間には『相当因果関係がないものといわなければならない』ことを理由としています。

ただし、例外として、不倫相手の女性が害意をもって、父親が子ども達に対する監護等を積極的に妨げているような事情がある場合には、慰謝料も認められ得るという余地を残しています。

今回のケースでは父親が自殺してしまったため、子ども達は父親からの愛情を受けることが出来なくなっています。しかし、不倫相手の女性は父親が自殺するように仕向けたわけで はありませんので、やはり女性の行動と父親との自殺の間には因果関係が認められないと思 われます」

●未成年の子がいれば、慰謝料は高くなる傾向に

ーー子どもたちは安定剤や睡眠薬を処方されているようだ。このような治療費を相手女性に請求することはできるのだろうか

「子どもたちは不倫相手の女性に対して、実際に被った損害について、不法行為に基づいて損害賠償をすることは考えられます。しかし、先に述べたように、やはり因果関係の有無は問題になるでしょう。

また、仮に認められたとしても低額な請求にならざるを得ないと思います。そのため、あまり現実的ではないかもしれません」

ーー相談者から不倫相手の女性に慰謝料請求をすることが現実的といえるだろう。その場合、相談者は子どもがいない場合と比べて高い慰謝料を請求することはできるのだろうか

「相談者から不倫相手の女性に対する慰謝料を請求する場合、慰謝料を算定する事情として未成年者の有無が挙げられています。そのため、子どもがいる場合は慰謝料が高くなる傾向にあります。

不倫をした場合、その余波は重大です。よく考えて行動することが大切です」

取材協力弁護士

宮地 紘子弁護士
名古屋市出身。勤務弁護士を経て独立後は離婚や相続などの家事事件を中心とした案件を数多く担当。JAPAN MENSA会員。家庭では1児の母。子育てと仕事の両立に日々奮闘中。

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