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京華商業で非正規教員が雇い止め危機 労基署「学校は労働時間の把握を」
会見する当事者たち

京華商業で非正規教員が雇い止め危機 労基署「学校は労働時間の把握を」

私立京華商業高校(東京都文京区)で非正規雇用の教員として勤務する30代の男性2人が、3月末で雇い止めされるのは不当だと訴え、雇い止めの撤回を求めている。

その学校に対し、中央労働基準監督署が行政指導を出したことを、男性2人を支援する労働組合「私学教員ユニオン」が3月22日、東京・霞が関の厚生労働省で会見し明らかにした。

●生徒100人超、雇い止め撤回求め

行政指導は2月中旬に出されたという。雇い止めの撤回を指導するものではないが、同校が抱える労働問題を是正するよう求める内容だという。

具体的には、(1)労働者の労働時間を今後把握すること(2)全労働者に対し、過去の労働時間を洗い出して実態調査をすること(3)業務負荷が大きく適正に休憩が取れていない可能性が高く、(生徒と)隔離された休憩施設の設置などを検討すること、の3点という。

会見には男性2人(Aさん、Bさん)も同席。バレーボール部とダンス部の顧問を兼ねるAさんは、学校が労働時間の管理をせず、夜まで部活指導で残ることが多いのに残業手当もないと指摘。「生徒のために残ることは苦にならない。でも対価を払ってほしい」と話した。

水泳部、柔道部、手話同好会の3つの部活の顧問をしているBさんも、労務管理が不十分だとし、タイムカードの導入ができていない点を問題視した。私学教員ユニオンの概算では、2人の残業時間は月50〜60時間におよんでいるという。

私学教員ユニオンや共同通信によると、男性2人は「有期専任」という1年ごとに契約を更新される非正規雇用の教員。業務内容は正規雇用の教員と変わらないが、2018年9月に雇い止めを通告された。有志の生徒100人超が雇い止めの撤回を求める署名に賛同しているという。

●学校「コメントできない」

学校は取材に対し、「顧問弁護士に任せており、コメントできない」としている。

(弁護士ドットコムニュース)

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