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2018年12月10日 09時54分

懲戒処分の可能性も? 「社割」で買った商品、安易に売却する前に…

懲戒処分の可能性も? 「社割」で買った商品、安易に売却する前に…
画像はイメージです。

社員割引(社割/社販)で入手したものを売ったら問題になりますか。使わなくなったら廃棄しかないのでしょうかーー。弁護士ドットコムに、こんな法律相談が寄せられました。

「むしろダメなの?」と思われるかも知れませんが、相談者が危惧しているのは「不正転売」の問題です。

世の中には、社割で買った商品を転売し、利ざやを稼ぐ人がいます。実際、ネットで検索すると、同じ商品を定価より安く大量出品しているユーザーなど、「社割転売」が疑われる事例を見ることができます。

一方、会社にしてみれば、転売に利用されると利益が減りますから迷惑です。処分を受けることもあるようで、「社割で転売していた人が解雇された」という投稿も複数ヒットします。

会社がどう判断するかわからないから、投稿者も困っている様子。社割の商品を売却する際の注意点について髙田英治弁護士に聞きました。

●企業が懲戒制度を課せる理由

ーーそもそも社割制度はどのように位置づけられているのでしょうか?

「社割制度は多くの会社で導入されていますが、本来、会社が従業員に対し、自社商品を割り引いて販売しなければならない義務はありません。社割制度は、従業員の生活や勤労意欲の向上等を目的に、福利厚生の一環として導入されています。

社割制度により、従業員は、自社商品を通常よりも安く購入することができますので、その分、従業員の生活は豊かになりますし、勤労意欲も増すでしょう。

しかし、従業員が社割品を転売することまで認めてしまうと、会社が顧客に商品を販売する機会が不当に失われるおそれがありますし、転売により利益を得ることを優先し、会社の業務に対する従業員の士気が低下してしまうおそれもあります。

そこで会社は、企業秩序を維持し、会社の円滑な運営を図るため、社割品の転売を防ぐ必要があり、場合によっては懲戒処分を課すことも認められます」

●社内規定の確認、会社への確認が大切

ーーとはいえ、買った商品をどうしようと、所有者の勝手のはずですが…?

「確かに、社割品であっても、従業員が購入したものである以上、本来、自己の所有物を売却するのは自由のはずです。そのため、社割商品の転売を理由に懲戒処分が認められるのは、転売を禁止する旨の社内規程があり、かつ、その違反が懲戒事由として規定されている場合に限られると考えられます。

また、従業員が社内規程に違反して社割品を転売し、それにより会社が本来得られたはずの利益を得られなくなったといえる場合は、別途、会社から損害賠償請求等を請求される可能性もあります」

ーーでは、今回の質問者のような場合でも売却は難しいのでしょうか?

「社割品の転売が懲戒事由として規定されていれば、会社による懲戒は原則として正当と判断されるでしょう。ただ、使い古した少数の商品を1度だけ転売したに過ぎないような場合などは、懲戒処分が正当と認められない可能性もあると思います。会社が商品を販売する機会が不当に失われたり、従業員の士気を低下させたりするとまではいえないことが多いでしょうから。

また、このような場合、従業員による転売と会社の損害との間の因果関係も明確でないことから、会社が損害賠償請求等を行うことが難しい場合もあると思います。

ただ、やはり社割品を転売する場合には、事前に会社に確認をとった上で、会社の許可を得て行うのが望ましいことは間違いありません」

ーーちょっと面倒でも、会社側に報告しておくと安全ということですね。

(弁護士ドットコムニュース)

髙田 英治弁護士
2009年弁護士登録。第二東京弁護士会所属。企業法務を中心に、会社・個人の法律問題を幅広く取り扱う。

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