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「365日24時間体制」をウリにした運送会社の男性、過労死認定…月108時間残業
遺族代理人の尾林芳匡弁護士(右)と白神優理子弁護士

「365日24時間体制」をウリにした運送会社の男性、過労死認定…月108時間残業

都内の運送会社に勤務していた男性(当時43)が、2015年に虚血性心不全で亡くなったのは業務が原因だったとして、八王子労働基準監督署が労災認定していたことが7月4日、分かった。遺族代理人の弁護士が同日、東京・霞が関の厚労省記者クラブで明らかにした。認定は6月27日付。

弁護士らによると、男性は食品物流業大手「キユーソーティス」の正社員で、死亡当時は関連の運送会社「ワイエムローディング」に出向していた。ワイエムローディングは、首都圏の食品スーパー、店舗などへの食品輸送を行なっており、HPでは「365日24時間体制」をアピールしている。

男性は、運行管理者でトラックの差配などを担当し、人手不足のときには自ら運転することもあったという。1日12時間ほどの勤務が常態化しており、週1度の休みである日曜日も、年中無休24時間体制のため、電話対応を余儀なくされていたそうだ。2015年2月、接待ゴルフ中に倒れ、その後死亡。労基署はタイムカードにより、直前1カ月の時間外労働が108時間42分あったと認定し、過労死と認めた。

遺族代理人の尾林芳匡弁護士は、タイムカードの時間で1カ月100時間の過労死ラインを超えていたので、まだ精査していないとしつつ、「残業時間はまだまだあったと考えている。これから検討するが、民事上の責任を追及することになると思う」と話した。

(弁護士ドットコムニュース)

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