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学校での旧姓使用求めた教師敗訴、「実績と名前を切り離したくない」悔しさ語る
原告の女性教諭

学校での旧姓使用求めた教師敗訴、「実績と名前を切り離したくない」悔しさ語る

東京都にある私立の中高一貫校に勤務する女性教諭が、結婚する前の旧姓を通称として使用することなどを学校に対して求めていた裁判で、東京地裁(小野瀬厚裁判長)は10月11日、旧姓の使用を認めない判決を出した。女性側は控訴する考えを示している。

判決は、職場で旧姓を使うことについて「配慮していくことが望ましい」としたものの、現時点で使用を認めないことは「違法な侵害であると評価することはできない」と判断。その理由として、通称使用が「社会において根付いているとまでは認められない」、戸籍姓が旧姓より「高い個人の識別機能を有している」などを挙げた。

女性は10年ほど前にこの学校に着任。2013年に結婚で姓が変わった。教材執筆に携わったこともあり、「教員のキャリアでは一貫した姓を使いたい」と結婚前の旧姓を通称として使用できるよう求めたが、多くの同僚や生徒、保護者は旧姓で呼んでくれるものの、学校側は戸籍姓の使用しか認めなかった。

判決後、司法記者クラブで会見した原告の女性は「生徒には性別に関係なく、ひとりの人間として自立して欲しいと思って指導している。(その意味で)職業と人格は絶対に切り離せないと思うし、実績と名前を切り離したくない」と悔しさをにじませた。

(弁護士ドットコムニュース)

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