STARTO ENTERTAINMENTのアイドルグループ「WEST.」の重岡大毅さんと濵田崇裕さんが8月9日、それぞれ結婚したことを公式サイトで発表した。重岡さんは同時に、すでに第1子が誕生していることも明かした。祝福の声が上がる一方、SNSには強い動揺を示す投稿が相次いだ。
アイドルとファンの関係性は現在も過渡期にあるようだ。推しのライフステージの変化をどのように受け止めていくべきか。芸能の問題にくわしい専門家は「推し活の主人公はあなた自身」とする。
●受け止めきれないファンたち
重岡さんは「このたび、結婚いたしましたこと、そして新しい命を迎えましたことをご報告申し上げます」と記した。そのうえで「小さな命が、様々な運命を乗り越え、無事に生まれてきてくれるまでの道のりは、決して当たり前ではない、尊いものでした。このタイミングでのご報告となりましたこと、ご理解いただけますと幸いです」と、報告が出産後になったことに触れた。文「今後とも温かく見守っていただき、変わらぬご支援を賜りますよう」と結ばれている。
同じ日、濵田さんも結婚を報告。「今後もWEST.の一員として、一つひとつの仕事に真摯に向き合い、皆様からいただいた力を少しでもお返しできるよう、これからも精進してまいります」としている。
WEST.は7人組。2025年には桐山照史さんと神山智洋さんが結婚を発表しており、今回で7人中4人が既婚となった。
発表後、Xにはファンとみられるアカウントからの、非常に強い動揺を隠さない投稿が続いた。
「結婚して子供産まれました(事後報告)で、これからもアイドルしたいのでご理解くださいってほんまグロすぎ」
「推してた頃と条件が変わるのに、変わらず応援してってなに?寝言」
「『メンバーの幸せが私の幸せ』って思えるタイプのオタクとは仲良くなれない」と、祝福する側と距離をとる投稿もあった。ファンコミュニティのなかでも考え方は多種多様のようだ。
一方で「生きてるか死んでるかって言われたら間も無く三途の川見えそう!って感じです。あ、死んでるかコリャ 自担の結婚と第一子誕生済みはクソくるねー」とあまりに複雑な感情を消化しきれない人もいる。「推し続けるし、嫌いにはなれねえんです」と、葛藤を抱えたまま応援は続けるとする投稿も目立った。
アイドルとファンの関係に何が起きているのか。不幸にならない推し活動について、芸能問題にくわしい河西邦剛弁護士に聞いた。
●ファンが注ぐ推し活費用の「建前」と「本音」
大半のファンにとって、「推し」のアイドルの結婚や子どもの誕生という出来事は、実はファン自身の人生にとってそこまで関わりがないことだと言えます。
しかし、多額のお金を費やしてきたファンの中には「裏切り」と捉える人がいることも事実です。
それまで支払ってきたチケットやCDの代金は、エンタメを楽しむという建前でもあります。その代金が意味する「本音」は、ファンにとって、推しに「認められるため」「近づくため」の費用だということもあるのです。
大量のCDを購入し、特典会で推しに自分の名前を覚えられ、ファンの中でも「自分は特別な存在」と、推しとの「繋がり」が強くなる快楽にお金を使ってきたのです。
そうなると、推しが実は妻や子どもを誰より愛していたという現実は到底受け入れられるものではありません。
●推し活で不幸にならないために
快感を背景にした無意識の習慣に振り回されるのではなく、自分が何のためにお金を使っているのか自己認識を持ってみましょう。
まずは、紙とペンを用意してください。(1)今までの推し活で一番幸せだった瞬間・場所、(2)そこで何があったのか、を素直に書いてみてください。
次に、なぜ自分がそう思ったのか理由を書いてみる。そこに書かれているものが本当に欲しかったものを知るヒントになります。
もし、紙に、「コンサートで推しからファンサ(ファンサービス)をもらった瞬間」と書かれていれば、あなたが欲しいのは、自己肯定感かもしれません。
今の推し活を続けることで自分が本当に欲しいものが得られそうか、ただの現実逃避の手段になっていないか、一歩引いて考えてみましょう。
●推し活の主人公はあなた自身
推し活で不幸になる原因は、執着や精神依存です。
一人の推しだけに執着すると、思い通りにならないときのショックも大きく、他の選択肢も失い、結果、損します。
推し活の主人公はあなたです。「私が応援してあげている」位の感覚で、今の推しに違和感があれば、一旦距離をとってみるのもよいでしょう。
ただし、SNSで自分の負の感情に周りを巻き込むことだけは止めましょう。