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「給料泥棒」「旦那に養ってもらえ」同僚の暴言でうつ病に…千葉県子ども病院元職員、労災認定
会見を開いた女性の代理人(東京・霞が関の厚労省記者クラブ、弁護士ドットコム撮影、2021年1月29日)

「給料泥棒」「旦那に養ってもらえ」同僚の暴言でうつ病に…千葉県子ども病院元職員、労災認定

千葉県子ども病院(千葉市緑区)で嘱託職員として勤務していた50代女性が、パワハラが原因で精神疾患を発症したとして、労働基準監督署に労災認定されたことがわかった。代理人弁護士が1月29日、東京・霞が関の厚労省記者クラブで記者会見し、明らかにした。認定は2020年9月30日付。

女性は1年にわたって、上司や同僚から「お菓子外し」をされたり「予算ないし、(女性を)遺棄しちゃう」「給料泥棒」「我々は真っ黒なグループ組織。逆襲、逆襲」などと言われたりした。

代理人の笠置裕亮弁護士は「小学生レベルの幼稚ないじめが誰にも制止されず、公務職場で続けられていた。このパワハラだけで心理的負荷の程度は強と判断されており、労基署もそれだけひどいいじめだとみているのだろう」と話した。

●「くさい、ストレスになる」「さっさとやめろよ」

女性は2017年9月、職員対象の検査の際に、採血の針刺し事故で神経を負傷した。同僚からの提案で別の病院を受診し、通院のため欠勤するようになると、同じ課の上司や同僚から職場でいじめられるようになった。

2017年10月、通院で仕事を休んだため職場で「ご迷惑をおかけしました」と謝罪すると、同僚から「誰も心配していないから」と大声で言われた。その後も「やめればいい、みんなの心の声を代表して言っているだけ」「(女性が通院で)いないから明日が待ち遠しい」「来なくていい」などと言われた。

また、新年会のメンバーや昼のお弁当の注文から外されたり、自分だけお菓子のせんべいや饅頭を配られなかったりした。

こうしたいじめは2018年に入っても続き、「くさい、ストレスになる」「さっさとやめろよ」「(女性が)やめたら祝賀会しようぜ」「旦那に養ってもらえ」と聞こえるような形で暴言を言われた。

女性は上司に相談をしたが改善せず、「転職を考えたほうがいい」と言われたこともあったという。2018年10月に適応障害と診断され、休職を余儀なくされた。2019年3月にはうつ病と診断され、契約期間満了で雇い止めとなっている。

●病院側のコメントは

県病院局は弁護士ドットコムニュースの取材に「労災認定の内容を把握してはいないが、いずれにせよ元職員が労災認定されたことについては申し訳なく思っております」とコメントした。

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