日弁連は1月18日、最高裁判所が日弁連との協議を受けて、労働審判を実施する裁判所の支部を増やすことや、裁判官が常駐していない裁判所支部や家庭裁判所の出張所に裁判官を派遣する回数(てん補回数)を増やすことを決めたと発表した。
労働審判は労働者と使用者の紛争を迅速に解決する制度で、近年利用者が増えているが、これまで、裁判所の支部では2カ所でしか実施されていなかった。2017年4月から、静岡地裁浜松支部、長野地裁松本支部、広島地裁福山支部でも実施できるよう準備を進める。
また、地方の裁判所の支部や家裁の出張所では、裁判官が常駐していないため、利用のしにくさが指摘されていた。2016年4月からは、松江地裁・家裁出雲支部で裁判を常駐させ、静岡地裁・家裁掛川支部や神戸地裁・家裁柏原支部をはじめ全国5か所で、裁判官を出張所に派遣する回数を増やす。
日弁連の村越進会長は1月18日に開いた記者会見で、「利用できるようになる支部や出張所はまだ限られているが、大きな一歩だ。今回の制度をしっかりと運用、検証して、さらなる司法サービスの基盤整備につなげたい」と期待を寄せた。