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2014年05月30日 13時25分

「ホワイトカラー・エグゼンプション」は日本の経営をダメにする「毒薬」なのか?

「ホワイトカラー・エグゼンプション」は日本の経営をダメにする「毒薬」なのか?

政府は、5月28日に開かれた産業競争力会議で、一部の労働者について、労働時間ではなく成果で評価する賃金の仕組みを導入し、週40時間を基本とする「労働時間規制」を外す方針を決めた。いわゆる「ホワイトカラー・エグゼンプション」と呼ばれる仕組みで、効率的な働き方を促す狙いがあるという。

具体的にどのような職種や年収の労働者が対象となるのかは、今後の議論をふまえて決定される。現時点では、「中核・専門的部門の幹部候補とするべき」(産業競争力会議の民間議員)といった案のほか、「世界レベルの高度専門職に限定するべき」(厚労省)といった案も出ており、政府の内部でも意見が対立している。

ホワイトカラー・エグゼンプションは、労働者が自分のペースで柔軟な働き方ができるという点で期待されている一方で、一定の賃金で労働者が長時間労働を強いられることになるのでは、という懸念もある。弁護士たちは、政府の動きをどう見ているのだろうか。弁護士ドットコムに登録している弁護士に意見を聞いた。

(選択肢)

1 ホワイトカラー・エグゼンプションの導入に賛成する

2 ホワイトカラー・エグゼンプションの導入に反対する

3 その他

このニュースに対する弁護士の回答

※2014年05月23日から2014年05月27日での間に集計された回答です。

アンケート結果

  • 投票1 ホワイトカラー・エグゼンプションの導入に賛成する

    2

    • 久野 健弁護士
    • 柴田 勇一弁護士
  • 投票2 ホワイトカラー・エグゼンプションの導入に反対する

    13

  • 投票3 その他

    3

    • 岡田 晃朝弁護士
    • 星野 宏明弁護士
    • 矢野間 浩司弁護士

回答一覧

回答の絞込み

投票:ホワイトカラー・エグゼンプションの導入に反対する

これは労働時間そのものに関する規制についての緩和を目指すものであり、労働時間ではなく、成果で評価する賃金の仕組みを導入し、新し生き方を促す狙いあるもの思われる。しかしながらこれには種々の弊害がある。すなわち、労働時間に応じた賃金の支払いがなされなかったりや、一定の時間を超えた超過時間についての割増賃金の適用がなくなる等の弊害がある。そもそも、日本人は働き過ぎである。休養を充分にとった上での効率的な仕事をすることを模索すべきであると考える。長時間労働の弊害は大きい。よって、この制度の導入に反対する。

2014年05月23日 19時45分

回答番号 601
投票:ホワイトカラー・エグゼンプションの導入に反対する

労働時間を本当に自分の意思だけで管理出来る労働者であれば、確かにホワイトカラー・エグゼンプションの制度も有用でしょう。しかし、実際には一般の労働者は多大な「成果」を上げることを求められ、あるいは周りの仕事との調整から、結果的に長時間労働をしなければならなくなるということが予測されます。そういった弊害を防ぐためにも、現行の裁量労働制では多くの要件が課せられているのであって、ホワイトカラー・エグゼンプションの導入により管理監督者に近いレベルで労働時間規制が外されることには問題があると考えます。
なお、労働時間規制・割増賃金制度がダラダラ残業などに悪用されているという意見もありえますが、それは残業について原則として事前認可制にして許可のない残業を認めないことで対応できる話です。

2014年05月24日 00時35分

回答番号 602
投票:ホワイトカラー・エグゼンプションの導入に反対する

 今でも過剰に長期間の労働が放置されている現状にあり、過労死もやまない状況です。

 ホワイトカラーエグゼンプションの導入は、そのような過酷な労働環境を悪化させるものでしかありません。

 収入により絞りが想定されているようです。しかし、収入が高い人であれば過労死してもよいのでしょうか。

 ホワイトカラーエグゼンプションは、財界の利益を重視し労働者の権利をないがしろにする安倍労働改悪の一環であり、到底賛同できません。

2014年05月24日 13時37分

回答番号 603
投票:ホワイトカラー・エグゼンプションの導入に反対する

管理職ではない専門職であっても、自分で労働時間を管理できる「労働者」を想定すること自体、詭弁であると思います。
労働時間の規制を外せば、実際上、長時間労働が強要されるのは目に見えています。また、日本は、他の先進国に比べ、時間外手当の割増率が低く、この割増率から逃げるようでは、経営、マネジメントの合理化は、到底得られません。
働く人の健康やワークライフバランスを害し、結果として、労働効率が下がり、発想の柔軟性が損なわれるでしょう。経営側の利益を実現する政策に見えて、実は、日本の経営をダメにする毒薬だと思います。
誰のためにもならない間違った政策であり、賛成する理由がありません。

2014年05月25日 19時20分

回答番号 604
投票:その他

政策面での話ですので、法的にどうと言う話ではないですが、私としては賛成とも反対とも言い難いです。


私自身サラリーマン出身ですので、無駄なおつきあい残業がどれほど多いか、よく熟知しております。ついでに言うと、これは、ホワイトカラー、管理部門ほど多いです。

このような残業は、結局、無駄な残業代を発生させ、競争力を低下させ、実利の低い悪い企業風土を生み出し、真面目に成果を上げている社員のやる気をそぎ、結局は社会全体の失速を招きます。

これでは、労働者側が一時的に金銭を得れても、結局会社と共倒れになります。


そこに一石を投じる仕組みとして、検討の余地はあると思います。

ただ、それ以外にも、残業についての事前申告制度をより強固なものとするとか、能力に見合わない人間の解雇や減給を容易にするなど、他の対応も検討できます。

もっとも、残業の事前申告を強固にすると結局は申告の無いサービス残業を増やしますし、解雇・減給を容易にするとそれはそれで問題が増えるでしょう。


無駄な残業を無くし、正当な労働能力に応じた評価を出来るように、社会構築するべきであると思いますが、そのための手法は複数あり、一長一短があります。
その一つとして検討の余地はあるでしょうが、他の手段も検討できるでしょう。

2014年05月26日 08時58分

回答番号 605
投票:その他

無駄な残業をなくし、効率よく業務をした人が同じ給料で早く帰宅できることを確保し、希望しない人には強制しないことが担保できれば、検討してもよいでしょう。
業務は終わっているのに人事評価に響くから残っているのは、本人にとっても会社にとってもよくないと思います。
効率的に要領よく業務をこなす人をだらだらやる人より評価できるように職場の風潮を変えていくことにもつながると思います。

2014年05月26日 18時35分

回答番号 609
投票:ホワイトカラー・エグゼンプションの導入に反対する

専門性のある程度高い従業員であっても、日本の会社では、会社との関係では力関係は圧倒的に弱いというのが実情だと思います。
会社と労働者が「合意」すれば残業代を払わなくて済むような制度ができてしまえば、容易に「合意」は事実上押し付けられることでしょう。
労働者が今以上に会社に搾取され、合法的なサービス残業を強いられる可能性の高い、極めて問題のある制度案だと思います。
過労死等防止対策推進法が制定されようという中、逆に労働者を際限なく働かせ、過労死・過労自殺を増大させるおそれもある制度だと思います。

2014年05月26日 19時47分

回答番号 611
投票:ホワイトカラー・エグゼンプションの導入に反対する

1000万円以上といえば、現時点で、ほとんどのサラリーマンには関係ない年収と思われる。しかし、派遣法では、対象範囲がどんどん拡大され、製造業にも派遣が認められ、いまでは、代替措置の禁止からきた同一事業所3年という基準も改正されようとしている。
 今は、ほとんどの労働者が関係なくても、いずれ、どんどん年収基準が下がっていくことは予想される。なぜ1000万円かという明確な基準もない。
 労働時間の短縮という流れからして、残業代はきちんと支払い、残業時間を抑止すべきである。過労死防止の法律ができたが、この法律からしても、きちんと残業代を支払うのが筋だと思う。

2014年05月26日 20時34分

回答番号 613
投票:ホワイトカラー・エグゼンプションの導入に反対する

サービス残業を助長することになり、そうでなくても労働時間の長い日本企業においては、労働基準法違反を増加させるムードになると思われます。
家庭を顧みないサラリーマンが増えて、結果はよろしくないと思われます。
勤労者の犠牲で、企業が伸びるという構造は、ここらで改善する必要がありますが、その逆行の道は選択したくないと思います。

2014年05月27日 07時47分

回答番号 615
投票:ホワイトカラー・エグゼンプションの導入に反対する

 現行法の下でも、専門業務・企画業務に従事する者や管理監督者については、労働時間の規定の適用除外が認められている。
そうすると、本制度の導入によって主に影響を受けるのは、管理監督者等にあたらない一般の労働者ということになる。本制度の適用には、労働者の同意が必要であるとされているが、実際には、会社と労働者の力関係から、労働者側が制度の適用を受け入れざるを得ないだろう。
 年収1000万円という制限も引き下げにならないという保証はないし、これに近い者に年収アップほしさに無制限の残業に駆り立てるおそれがある。
管理職以外の労働者が、与えられた仕事をひとまず終えたからといって、午後3時に帰宅するいったことは現実には難しいと思われる。通常は、一つの業務が順調に片づけば、上司から他の業務を与えられるかもしれないし、チームで仕事をしている場合には各人がバラバラの勤務時間になって業務が停滞してしまうなど、結局は現在とほとんど変わらない事態が予想される。そうすると、本制度を導入のメリットとされる「多様で柔軟な働き方」が実現することはおおいに疑問である
「労働時間ベースではなく、成果ベースの労働管理」という点は、時間外労働に対する割増賃金が支払われなくなるわけだから、結局は、長時間労働は温存どころかさらに伸び、「残業代ゼロ」となるおそれが強いと言わざるを得ない。そうなると、人件費が固定化した適用者に業務を集中させれば、他の労働者の残業を減らすことができる。人員削減さえありうる。つまり、企業は同じ成果を得ながら、総人件費を抑制することができるのである。一定の年収の中堅にわずかの年数アップにより、犠牲を強いながら、労働者間に格差をもたらすことになる。
 賛成しなくともメリットを強調する立場はアメとムチのおこぼれのようなアメの部分に踊らされているというべきである。安倍首相が自認しているトリクルダウン理論(強者が富めば溢れた富が弱者にも回ってくるという新自由主義者の理論)にもとづくものである。しかし、この理論はもはや事実により否定されたというべきである。
企業の利益優先による弱肉強食というべき労働法制の規制緩和であって、労働時間の短縮やワークシェアによる雇用の確保などの世界の流れにも反しており、断固反対である。

2014年05月27日 16時57分

回答番号 618

編集後記

弁護士ドットコムニュース編集部

アンケートで回答した18人の弁護士のうち、約7割にあたる13人が、<ホワイトカラー・エグゼンプションの導入に反対する>を選択した。一方で、<導入に賛成>という意見は2人にとどまった。<その他>を選択したのは3人だった。

<導入に反対>する理由として、「長時間労働が強要されかねない」という意見が多くみられた。<導入に賛成>を選択した中には具体的な意見を述べたものがなかったが、<その他>の中に「強制しないことが担保できれば検討の余地はある」と導入に対して前向きな声もあった。

これまで労働組合などから根強い反対があった「ホワイトカラー・エグゼンプション」だが、安倍政権は産業界の要請を受け、ついに導入へ向けて舵を切った。具体的な制度設計はこれからとなるが、長時間労働を助長することにならないよう、引き続き議論を深めていく必要があるだろう。

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