群馬県が主催するアイドルフェスで、観客の危険行為によってライブが一時中断する事態が起きた。
問題になったのは、10月12日に群馬県庁で開かれた「ぐんまちゃんアイドルフェスティバル」。一部の観客が体をぶつけ合ったり、押し合ったりする「モッシュ」を始め、その規模が拡大したため、主催者が公演を中断したという。
このフェスでは、もともとモッシュは禁止されていた。
群馬県は10月14日、弁護士ドットコムニュースの取材に対し、ライブを中断した事実を認めたうえで「お客さまの安全を最優先するために、やむなく中断しました」と説明した。
一体、会場では何が起きていたのか。
●禁止行為がエスカレート「事故のリスクが高い」と判断
県によると、モッシュが発生したのは、会場となった群馬県庁の県民広場に設けられた無料エリアの一部。有料エリアの後方付近だったという。
実は、この日、ほかのアイドルの公演中にも、モッシュとみられる行為が確認されていた。ただ、その際は巡回中のスタッフが中止を呼びかけることで、行為がエスカレートすることはなかった。
ところが、問題となった公演では状況が一変した。
モッシュの規模が大きくなり、参加していない観客まで巻き込まれるおそれが生じたという。県の担当者は当時の状況について「事故のリスクが本当に高いと判断せざるを得ないぐらいの規模」だったと振り返る。
中断後、主催者は観客に対し、危険行為が重大な事故につながる可能性があることや、安全な運営には来場者の協力が欠かせないことを改めて説明。
さらに、危険行為が繰り返された場合には、再び公演を中断する可能性があることも伝えたうえで、ライブを再開したという。
県は、今回の危険行為による被害について、現時点では把握していないとしている。
●過去にもモッシュ発生、中断は初めて
今回の騒動を受け、SNSでは「運営による中断の判断は正しい」「出禁にすべき」など、危険行為に対する批判や、県の対応を評価する声が上がっている。
実は、このフェスでモッシュなどの禁止行為が確認されたのは、今回が初めてではない。
県によると、2024年と2025年の開催時にも、一部の観客によるモッシュや、観客の上に飛び込む「ダイブ」などが確認されていたという。
ただ、いずれもスタッフの巡回や声かけで対応できる範囲にとどまっていた。重大事故につながるおそれがあるとまでは判断されず、公演を途中で中断することはなかった。
今回は、事前の告知や会場での掲示、スタッフによる巡回などの対策を講じていたにもかかわらず、公演中断にまで発展した。
県の担当者は「実際にそういうことが起こってしまった事実は、やはり重く受け止める必要があります」と話した。
今後、新たな対策を講じるかどうかについては、現時点で具体的な方針は決まっていないという。
県の担当者は「今回を教訓として、多くの方に楽しんでいただけるイベント運営にしっかり活かしていきたい」と話している。