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不法就労の通報85件、報奨金の支払いは「ゼロ」…茨城県の制度、開始約3カ月の実態が「情報公開」で判明
「不法就労情報提供システム」の通報内容をまとめた文書(2026年10月、弁護士ドットコムニュース撮影)

不法就労の通報85件、報奨金の支払いは「ゼロ」…茨城県の制度、開始約3カ月の実態が「情報公開」で判明

不法就労に関する通報が摘発などにつながった場合、原則1万円の報奨金を支払う──。茨城県の「不法就労通報報奨金制度」がスタートして5カ月が経った。

制度の運用実態はどうなっているのか。弁護士ドットコムニュースが情報公開請求したところ、開始から約3カ月間で85件の通報が寄せられ、このうち32件が県警に情報提供されていたことがわかった。

一方、報奨金が実際に支払われたケースは1件もなかった。

どのような情報が寄せられ、何を基準に報奨金が支払われるのか。開示された文書と県への取材から、制度の運用状況を探った(弁護士ドットコムニュース・一宮俊介)

●不法就労の通報に「1万円」茨城県が5月に制度開始

茨城県は今年5月11日、外国人の不法就労が多いことを背景に「不法就労通報報奨金制度」をスタートさせた。

通報の対象は、不法就労を助長している疑いのある事業者やブローカーに関する情報。外国人労働者個人の属性だけを理由とする通報は受け付けていないとしている。

県によると、通報は専用のサイト「不法就労情報提供システム」で受け付けている。不法就労が疑われる場所や根拠となる資料を送る仕組みで、通報者には本人確認書類の提出も求められる。

寄せられた情報が事業者の摘発につながるなど、「特に有益な情報」と判断された場合には、原則1万円の報奨金が支払われる。

画像タイトル

●約3カ月で85件の通報、うち32件を県警に提供

制度は実際にどのように利用されているのか。

弁護士ドットコムニュースは8月、茨城県に対し、「7月末までの通報の数や内容、報奨金が支払われた件数の詳細がわかる文書」を情報公開請求した。

9月下旬に開示された文書「情報提供システムへの通報一覧」によると、7月27日午前9時の時点で85件の通報が記録されていた。

文書には「取扱厳重注意」と記され、「事業者名」「事業者所在地」「事業内容」などの欄は黒塗りにされていた。

県によると、85件はシステムで受け付けた通報の総数で、内容を精査した後の件数ではないという。

一方、開示された別の文書によると、県が県警に情報提供した通報は、記者が集計したところ32件だった。

ただし、開示文書には「7番目の通報と同じ事業者・住所」といった記載もあり、複数の通報が同じ事業者を対象としている可能性もある。

画像タイトル 報奨金に関する文書について、茨城県は「支払い実績がなく、文書が存在しない」として不開示にした(2026年10月、弁護士ドットコムニュース撮影)

●報奨金の支払いはゼロ、具体的な基準は「お出しできない」

では、報奨金はどの程度支払われているのか。

弁護士ドットコムニュースは、「不法就労通報報奨金が支払われた件数が分かる文書」についても情報公開請求した。

しかし、県は「報奨金の支払い実績がなく、文書が存在しないため」として不開示とした。

そもそも報奨金の支払いには、一定の条件が設けられている。

県のホームページには次のような説明がある。

<事業者等が不法就労助長罪以外の罪状で摘発された場合及び摘発されたものの逮捕に至らなかった場合(在宅起訴の場合等)は対象となりません>

では、具体的にどのような通報が「有益な情報」とされ、報奨金の対象になるのか。

県の担当者は、弁護士ドットコムニュースの取材に「それはお出しできない」と答えた。

この記事は、公開日時点の情報や法律に基づいています。

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