足利事件で冤罪の一因となったDNA型鑑定「MCT118型法」が、ほかの8事件でも有罪判決の証拠として使われていた問題で、警察庁は10月28日の衆院法務委員会で、判決が確定した事件については、独自に鑑定をやり直すことは通常ないとの立場を示した。
8事件には、すでに死刑が執行された「飯塚事件」も含まれる。委員会では、過去の鑑定結果を再点検しない姿勢に「著しく正義にもとる」と批判の声が上がった。
●警察庁「独自に鑑定し直すことは通常ない」
警察庁は10月23日の委員会で、この8件について再点検や再鑑定をおこなっていないと答弁していた。
これを受け、有田芳生衆院議員は10月28日の委員会で「確定判決があるから、再鑑定も再点検もおこなわないというのは、著しく正義にもとるんじゃないでしょうか」と追及した。
警察庁の遠藤剛審議官は、判決が確定した事件で「警察で独自に鑑定等を改めておこなうことは通常おこなっていない」と説明した。
●足利事件と飯塚事件の鑑定人は「同じ」と指摘
有田委員はさらに「判決を受けた人たちが再審を求めないと、あるいは再審が認められないと、自分が実際にやったことなのか、無罪なのかが明らかにならないということなんですか」と問いただした。
これに対し、法務省の佐藤淳刑事局長は、元被告人や弁護人は、自分の事件でMCT118型法の鑑定がおこなわれたかを把握していると説明。
そのうえで、MCT118型法による鑑定そのものが「原理的に、理論的に誤っているという判断が示された例はない」との認識を示した。
有田議員は最後に、足利事件と飯塚事件の鑑定を担当した人物が同じだったことに言及し、「続きは次回やりたい」と述べた。