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大荒れ「かぼちゃの馬車」説明会の内幕、釈然としない説明に「生き残るのはおかしい」
東京都内のシェアハウス「かぼちゃの馬車」

大荒れ「かぼちゃの馬車」説明会の内幕、釈然としない説明に「生き残るのはおかしい」

シェアハウス「かぼちゃの馬車」の運営会社スマートデイズ(赤間健太社長)が自主再建を断念し、民事再生法の適用を申請した問題で、4月12日、東京都内で第1回オーナー向け説明会があった。弁護士ドットコムニュースでは関係者から入手した音声データなどをもとに詳報する。

●「問題起こしながら生き残るのはおかしい」

「なんなんだよ」「ふざけるな」「ちゃんとしゃべれよ」「頭をもっと下げろよ」「社長なのに自分の意見も言えないのか」ーー。4月12日夜、東京都千代田区のビルの会議室。スマートデイズ側の説明が釈然としないと感じたオーナーたちはこうした言葉を投げつけ、憤った。約150人が参加し2時間ほどにわたって開かれた。

スマートデイズは、債務の一部を免除するなどして作る再生計画に基づき、会社を存続させながら再生を図る民事再生を選んだ。今後つくられる再生計画に債権者が賛成するかどうかが焦点となる。破産ではなく再生法の適用を申請したのは、「入居者保護を図るため」と説明。現時点で入居者は357人いることも明かした。

一方、オーナーは約700人。大多数がシェアハウス建築のためスルガ銀行から1億円超の融資を受けた一般の会社員で、スマートデイズが一方的に保証賃料の支払いをゼロにしたことで多額の借金返済に苦しんでいる。すでに自己破産に追い込まれた人も少なくないとされる。

説明会で、被害弁護団の河合弘之弁護士は「破産をし、営業継続の許可を裁判所にとって入居者保護をやるというのがふさわしい。スマートデイズがこんな問題を起こしておきながら生き残ろうとするのはおかしい」。損害賠償請求訴訟を起こした原告の代理人を務める加藤博太郎弁護士も破産を求め、オーナーたちも破産に賛同する声を次々とあげた。

●スマートデイズ側、破産手続きも視野

スマートデイズの代理人を務める南賢一弁護士は、再生法の適用申請を受け東京地裁が既に保全命令を出しており、法律上、取り下げはできないことを指摘。ただ、この日の説明会で破産を求める声が多いことがわかったとして、「もともと最終的には破産手続きがいいと思っていたが、その時期等についても真剣に」と、今後、破産手続きに移行するため裁判所や監督委員に相談する考えを示唆した。

東京地裁により監督委員に選ばれた清水祐介弁護士もオブザーバーとして参加。「社会的にも極めて注目されている事件で、身の引き締まる思いだ。手続きとして民事再生は適切なのか、あるいは破産も含めた他の手続きなのかという論点も当然含まれる」と述べた。

スマートデイズによる第2回オーナー向け説明会は4月14日午後2時から、東京都千代田区の「TKPガーデンシティPREMIUM秋葉原」で開かれる。

(取材:弁護士ドットコムニュース記者 下山祐治)早稲田大卒。国家公務員1種試験合格(法律職)。2007年、農林水産省入省。2010年に朝日新聞社に移り、記者として経済部や富山総局、高松総局で勤務。2017年12月、弁護士ドットコム株式会社に入社。twitter : @Yuji_Shimoyama

(弁護士ドットコムニュース)

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