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「威嚇射撃」しても向かってきた…刃物の男性に「発砲」→死亡、警察官が「拳銃」を撃てるのはどんなとき?
大阪府警のパトカー(白熊 / PIXTA)

「威嚇射撃」しても向かってきた…刃物の男性に「発砲」→死亡、警察官が「拳銃」を撃てるのはどんなとき?

大阪府河内長野市の路上で、刃物を持った男性に警察官が拳銃で発砲した。男性は銃刀法違反などの疑いで現行犯逮捕されたが、銃弾が左胸に命中し、搬送先の病院で死亡が確認された。

報道によると、警察官は男性に警告したうえで、上空へ威嚇射撃を1発した。それでも男性が向かってきたため、もう1発を発射し、その弾が当たったという。

警察官による拳銃の使用は、危険だからといって自由に認められているわけではない。法律によって、厳格な要件が定められている。

●警察官は「危険だから撃てる」わけではない

警察官による拳銃の使用は、「警察官職務執行法」(警職法)7条で厳しく制限されている。

ポイントは、「拳銃を構えたり威嚇射撃をしたりできる場合」と「相手に向けて発砲し、人に危害を与えることが認められる場合」とでは、要件が異なることだ。

●まずは「構える」「威嚇射撃」が認められるか

警職法7条は、警察官が次の目的のために必要と認められる相当な理由がある場合、その事態に応じて合理的に必要と判断される限度で武器を使用できるとしている。

・犯人の逮捕や逃走の防止
・自己や他人に対する防護(生命・身体を守るため)
・公務執行に対する抵抗の抑止

この要件を満たせば、拳銃を構えたり、上空など安全な方向へ威嚇射撃をしたりすることが認められる。

●相手に向けて撃つには「さらに厳しい条件」がある

一方、人に危害を及ぼす発砲は、さらに限定された場合にしか認められない。

代表的なケースは次のとおりだ。

・正当防衛や緊急避難にあたる場合
・殺人や強盗など一定の重い罪にあたる事件の容疑者が抵抗・逃走し、ほかに逮捕する方法がない場合
・逮捕状などに基づく執行で、抵抗や逃走を防ぐため他に手段がない場合

つまり、「刃物を持っている」という事実だけで発砲が認められるわけではない。生命や身体への危険が切迫し、ほかに有効な手段がないことなど、厳しい要件を満たす必要がある。

●威嚇射撃や警告が原則…ただし例外も

「警察官等拳銃使用及び取扱い規範」では、拳銃を発砲する際は、原則として事前に相手へ予告し、必要に応じて上空など安全な方向に威嚇射撃をおこなうこととされている。

ただし、相手が突然襲いかかるなど事態が急迫し、予告や威嚇射撃をする時間的余裕がない場合には、これらを省略して発砲することも認められている。

●発砲の適法性は「その瞬間」の状況で判断

発砲が適法だったかどうかは、結果だけで判断されるわけではない。

裁判例でも(1)刃物など凶器の危険性、(2)相手との距離や接近する速度、(3)周囲に一般市民がいたか、(4)威嚇射撃や警棒など別の手段を取れなかったか、(5)生命・身体への危険がどれほど切迫していたか──といった事情を総合的に検討している。

ナイフを所持していた相手への発砲について、「接近しなければ積極的に危害を加える状況ではなかった」などとして、発砲は必要性や相当性を欠き、違法と判断したケースがある(最一小決平成11年2月17日)。

一方、自動車で警察官に突進するなど生命への危険が切迫した事案では、正当防衛などにあたるとして、発砲を適法と認めた裁判例もある。

この記事は、公開日時点の情報や法律に基づいています。

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