「データ復旧率95.2%」という宣伝を信じて依頼したのに、期待した結果が得られず、高額な料金を支払うことになった──。
スマートフォンやパソコンなどのデータ復旧サービスなどを利用した男性6人が、勧誘や契約時の説明に問題があったとして、サービスを提供する東京都内の会社に対し、支払った料金や慰謝料など計約490万円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こした。
提訴は10月1日。原告側が10月14日、東京・霞が関の司法記者クラブで会見し、明らかにした。
●原告は「広告表示や契約時の説明」を問題視している
訴状によると、原告の男性6人のうち5人は、スマートフォンやパソコン、ハードディスクのデータ復旧を依頼。残る1人は不正アクセスの有無を調べる「フォレンジック調査」を依頼した。
6人が支払った料金は、それぞれ約14万〜116万円、計約306万円にのぼる。しかし、いずれも求めた結果は得られなかったという。
原告側が問題視しているのは、同社の広告表示や契約時の説明だ。
同社は当時、ウェブサイトで「データ復旧率95.2%」とうたっていたが、原告側によると、この数字は2017年12月から2021年12月までの各月の復旧率のうち、最も高かった月の数値にすぎないという。そもそも、何をもって「復旧」とするのかもわからないとしている。
また、同社は初期診断で「極めて難易度が高い」などと把握していたにもかかわらず、そのことを告げずに「復旧可能」と説明したと主張。さらに見積もりの有効期限を発行当日に限るなどして、契約を急がせたと訴えている。
●訴訟に踏み切った理由は「社会正義です」
この日の会見には、原告のうち2人が出席した。
フォレンジック調査を依頼した神奈川県の40代男性は、どのような調査をするのか説明がないまま、料金の交渉ばかりだったと振り返った。
また、外付けハードディスクのデータ復旧を依頼した東京都の50代男性は「3分以内に決めれば、さらに値下げする」と契約を迫られたと説明。提訴に踏み切った理由について「第一にはやはり社会正義です」と語った。
同社をめぐっては、今回の原告代理人をつとめる山中眞人弁護士が担当した別の訴訟でも、今年6月、原告の女性が会見を開き、請求を全面的に受け入れる内容で同社と和解したと明らかにしていた。和解金額は公表されていない。