中条きよし氏が松野明美氏をスパーン──。
国会で、日本維新の会の中条きよし参院議員が、同党の松野明美参院議員のお尻付近を紙のようなもので叩く様子を捉えた動画がXで拡散され、波紋を広げている。
投稿によると、動画は10月5日、日本テレビが参議院本会議の様子を中継した際に映り込んだものだという。
投稿したユーザーは「めちゃ音響いている」と紹介。SNSでは「普通にセクハラ」「国会で女性の尻を叩いている。信じられない」など、批判の声が相次いだ。
一方、松野議員本人は、この投稿に対し、自身のXで「え〜っ、映ってたの⁈ 動画を見るまで、全く気が付きませんでした」と反応した。
しかし、こうした反応にも「本人が気にしていなくても許される行為なのか」「国会議員なのだから、ハラスメントには毅然とした態度を取るべきでは」といった意見が寄せられている。
では、仮に一般企業で男性社員が女性社員のお尻を紙などで叩いた場合、本人が叩かれたことに気づかなかったり、不快に感じていなかったりした場合でも、セクハラにあたるのだろうか。
労働問題にくわしい今井俊裕弁護士に聞いた。
●本人が嫌がっていなくても「セクハラ」の可能性
──職場で社員が別の社員のお尻を紙などで叩いた場合、セクハラにあたる可能性はありますか。
職場でのセクハラを防止するため、男女雇用機会均等法は、事業主に相談体制の整備や適切な対応など、必要な措置を講じることを義務づけています。
同法が定めるセクハラには、大きく2つの類型があります。
一つは、職場で労働者の意に反する性的な言動がおこなわれ、それを拒否したことなどによって、解雇や降格といった不利益を受ける「対価型セクハラ」です。
もう一つは、性的な言動によって労働者の就業環境が害される「環境型セクハラ」です。
今回のような行為を一般企業に置き換えて考えた場合、問題となるのは主に後者でしょう。
仮に、叩かれた本人が同意していたり、嫌悪感や不快感をまったく抱かなかったりしたとしても、それだけでセクハラにあたらないとは限りません。
たとえば、同じ職場の同僚がその行為を見聞きして不快感や嫌悪感を抱き、仕事に集中できなくなるなど、就業環境が害された場合には、セクハラに該当する可能性があります。
●「気づかなかった」「不快ではない」なら問題ない?
──叩かれた本人が「気づかなかった」「不快には感じていない」と話している場合、セクハラかどうかの判断に影響しますか。
そもそも、男性が手に持った丸めた紙のようなもので女性の臀部を叩く行為は、「性的な言動」に該当する可能性があります。
たとえば、相手を呼び止めるのであれば、声をかけるなど、ほかにも方法があります。少なくとも、臀部を叩く必然性はないはずです。
先ほど述べた通り、叩かれた本人が不快に感じていなかったとしても、それだけでセクハラに該当しないとはいえません。
周囲の同僚がその行為を見聞きして不快感を抱き、仕事に支障が生じるなど、就業環境が害される可能性もあるためです。
ただし、たった1回の行為で就業環境がどの程度害されたのかという点も含め、行為の内容や頻度、程度などを踏まえて判断する必要があります。