2019年06月30日 09時19分

勤務中の喫煙で「2318回」抜け出した大阪府職員、今後は「懲戒処分」の可能性も

勤務中の喫煙で「2318回」抜け出した大阪府職員、今後は「懲戒処分」の可能性も
画像はイメージです(EKAKI/PIXTA)

勤務中にかかわらず、繰り返し職場を抜け出して、たばこを吸っていたとして、大阪府の府の職員6人が、職務専念義務違反で、訓戒や訓告などの処分を受けていたことが、このほどわかった。処分は1月21日付。

●2009年4月から2018年7月にかけて、計2318回

大阪府人事課によると、府税事務所に勤務する男性職員6人が処分を受けた。

最も重い処分(訓戒)を受けた職員は、2009年4月から2018年7月にかけて、計2318回(257時間50分)も勤務中に職場を抜け出して、たばこを吸っていた。平均的な喫煙回数(1日2回)などをベースに算出した数字だという。

2018年4月に匿名の通報があって、大阪府が調査していた。聞き取りや処分の検討に時間がかかったという。今回は、地方公務員法による懲戒処分ではなく、内部処分で、原則として公表対象ではなかった。読売新聞の報道で広く知られることになった。

大阪府は2018年7月、勤務中の喫煙について、地方公務員法上の懲戒処分(職務専念義務違反)を含めて、厳しく適用すると、全職員に通達した。最も重い処分を受けた職員は「少しぐらいならいいかなと思っていた。甘い考えだった」と反省しているということだ。

大阪府によると、今回のケースを受けて、吉村洋文知事は6月14日、厳格なルール運用について、再度、全職員に通達したという。今後、処分は厳しくなるのだろうか。労働問題にくわしい平岡広輔弁護士に聞いた。

●健康増進法・受動喫煙防止条例の存在が重要になってくる

「今回の処分は、減給や出勤停止といった懲戒処分ではなく、訓戒や訓告など、服務上の措置にとどまります。そのため、処分が重すぎて違法となる可能性は少ないと考えられます。

ところが、大阪府は、勤務時間中に職員が喫煙した場合、地方公務員法上の懲戒処分(職務専念義務違反)と全職員に通達したようですので、今後は、同じようなケースについて、懲戒処分が下される可能性があります。

懲戒処分については、非違行為と処分のバランスがとれていなければ無効となるため、いたずらに重い処分は認められません。

ここで、上記のバランスを考えるにあたって、健康増進法・受動喫煙防止条例の存在が重要になります。

つまり、健康増進法の改正を受け、各自治体は受動喫煙防止条例を制定しており、大阪府においても、今年7月から、行政機関の庁舎内は禁煙となります。そのため、喫煙行為が、職務専念義務のみならず、受動喫煙防止義務にも違反する可能性があります。その結果、勤務時間中の喫煙について、懲戒処分もやむをえないと判断される方向に傾くかもしれません。

このように、今後は、受動喫煙防止義務という切り口からも、喫煙の可否を考えなければなりません。そして、喫煙禁止の対象施設は、ますます広がっていきます。

喫煙者は、施設の掲示板やウェブサイトを確認するなどして、どこならタバコが吸えるのかということについて、これまで以上に注意する必要があります。また、企業は施設管理者として、健康増進法・受動喫煙防止条例の適用の有無について、確認しておく必要があります」

取材協力弁護士

平岡 広輔弁護士
平成22年弁護士登録。訴訟、労働審判、調停、あっせん手続き、示談交渉等、労働事件の取扱多数。著作は、『労働契約の終了をめぐる判例考察』(三協法規出版、共著)。平成28年から、公益財団法人暴力団追放都民センター相談員、平成31年から、不当要求防止責任者講習講師。

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