オープンしたばかりの家電量販店をめぐり、真偽が定かでない異例の情報がSNS上で拡散し、波紋を広げている。
ヨドバシカメラは6月末、東京・池袋に関東最大級の店舗をオープンした。家電量販店同士の競争が注目される中、ネット上では別の話題が急速に広がった。
SNSでは、店内に人の「排泄物」が放置されていたとする投稿が相次ぎ、「5日連続で発生した」との情報まで拡散された。
集英社オンラインによると、この件についてヨドバシカメラに確認したところ、広報担当者は「事実確認をしておらず、今回はコメントを控えます」と回答したという。
現時点では、こうした投稿の内容が実際に起きた出来事なのかどうかを含め、事実関係はわかっていない。
●トイレまで間に合わなかったのか
仮にこうした出来事が実際にあったとしても、体調不良や急な腹痛、広い店内でトイレまで間に合わなかったなど、本人の意思とは関係なく起きた可能性も考えられる。
一方で、もし営業を妨害する目的などで「わざと」に排泄物を放置した悪質な行為だった場合、どのような法的責任を負う可能性があるのか。西口竜司弁護士に聞いた。
●わざとならば「いたずら」で済まない
──仮に、わざと排泄物を店の床などへ放置した場合、どのような法的責任を問われますか。
刑事上の責任として、まず考えられるのが威力業務妨害罪(刑法234条)です。
悪臭によって店の営業に支障を生じさせたり、清掃や消毒、レジの閉鎖などを余儀なくさせた場合、店の正常な業務を妨害したと評価される可能性があります。
過去には、店内に汚物をまいた行為について、この罪が適用された事例もあります。法定刑は3年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金です。
さらに、わざと商品や備品を汚して使用できない状態にした場合には、器物損壊罪(刑法261条)が成立する可能性があります。
また、公共の場所で排泄する行為は、軽犯罪法違反(1条26号)に該当する場合があります。
わざとであれば、「いたずら」で済む問題ではなく、刑事責任を問われる可能性がある行為といえます。
●損害賠償を請求される可能性がある
──民事上の責任を問われる可能性はありますか。
民事上は、防犯カメラなどによって行為者が特定されれば、不法行為(民法709条)に基づく損害賠償責任を負う可能性があります。
清掃や消毒にかかった費用だけでなく、営業を一時中断したことによる損害や、状況によっては店舗の信用や営業上の利益が侵害されたことによる損害などについて、賠償を請求される可能性があります。