2019年03月22日 10時08分

バイト募集なのに「時給」不明、「詳細は面談で」…問題ないの?

バイト募集なのに「時給」不明、「詳細は面談で」…問題ないの?
時給のない求人、アリなの?(実際の求人ではありません)

店舗に掲示したり、求人サイトや専門誌に掲載したり、アルバイト募集の方法は様々だ。応募する際に、どんな点を注意して見ているだろうか。

都内の大学生は最近、気になっていたメディア関連企業の自社サイトに、次のような求人を発見したが、ある疑問を抱いたという。

【アルバイト募集のお知らせ】  「 *業務内容 編集アシスタント…編集補助全般 *勤務日 平日、週3日くらい *時間 10:00~17:30

出勤日、時間については、柔軟に対応致します。その他委細は面談にて。応募者は下記宛先まで履歴書をご郵送ください」

以上がその掲示内容だという。

この何が疑問かといえば、「肝心の時給が書いていないんですよ。あと社会人を募集しているのか、大学生を募集しているのかもわかりません。それなのにどう使われるかもわからない履歴書を提出するのが心配です」と話す。

この求人に、何か問題はないのだろうか。森田梨沙弁護士に聞いた。

●「詳細は面談で」問題はないものの

ーー求人の時点で、明確にするべき条件には、どんなものがありますか。

会社が労働者の募集を行う場合には、次のような労働条件の明示が必要とされています。

(1)業務内容、(2)契約期間、(3)試用期間(試用期間の有無、あるときはその期間)、(4)就業場所、(5)始業及び終業の時刻、時間外労働の有無、休憩時間及び休日に関する事項(裁量労働制が適用されることとなる場合はその旨)、(6)賃金(固定残業代を採用する場合はその旨及び内容)、(7)加入保険、(8)募集者の氏名又は名称、(9)派遣労働者として雇用する場合はその旨

これは、会社が自社のホームページを使って労働者を募集する場合でも変わりません。

ーー事例のように「詳細は面談で」などとすることに問題はありませんか。

記載のスペースが足りないなど、やむを得ない場合には「詳細は面談の時にお伝えします」などと記載し、条件の一部を別途明示することも認められています。

この場合でも、初回の面接など、会社と求職者が最初に接触する時点までに、全ての労働条件を明示するのが原則です。

●時給は「明示」が原則

ーー今回の事例は、時給が明示されていませんが、「その他委細は面談にて」とありました。

時給(賃金)は前述のように、明示すべき労働条件です。原則として、明示した上で募集を行う必要があります。

ただし、スペースの関係等でやむを得ない場合には、「その他委細は面談にて」という形で募集を行っても、法律的には問題はありません。

ーーあくまでも「やむを得ない場合」が必要なのですね。なお相談者は「募集の対象が社会人なのか大学生なのかの記載もない」ことも不満気です。

その点は、法的に明示が必要な事項というわけではありません。

ただ、求職者の側からすれば、あまりに情報の少ない求人では、不安を感じられるのも当然のことと思います。会社の採用担当者としては、もう少し内容に工夫をすべきだったと言えるのではないでしょうか。

情報募集

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(弁護士ドットコムニュース)

森田 梨沙弁護士
中小企業法務、労働案件、一般民事(交通事故、不動産、離婚事件他)など幅広く手掛ける。事案の早期解決及び予防法務の観点から、依頼者と密なコミュニケーションをとることを常に心がけている。趣味はゴルフと漫画。

この記事へのコメント

求職者イノベーションプロジェクト 40代 男性

ハローワークの求人票の欄に「時間外労働○○時間有り」と掲載されている。労働基準法第36条には「労働者は法定労働時間(1日8時間1週40時間)を超えて労働させる場合や、休日労働をさせる場合には、あらかじめ労働組合と使用者で書面による協定を締結しなければならない」と定められています。会社が法定労働時間以上の残業や法定休日出勤を従業員に課す場合には、本来は労使間で「時間外労働・休日労働に関する協定書」を締結し、別途「36協定届」を労働基準監督署に届け出ることになっています。
平成25年10月に厚生労働省労働基準局が発表した調査によると中小企業の56.6%が時間外労働・休日労働に関する労使協定を締結しておらず、そのうちの半数以上が「時間外労働や休日出勤があるにも関わらず労使協定を締結していない」=「違法残業を課している」ということが判明。
ハローワークの求人では、36協定を締結しているか否か、有効期限の更新状況をどのようにして確認しているのだろうか?疑問に思い厚生労働省の「国民の皆様の声」へ質問いたしました。厚生労働省職業安定局首席職業指導官室よりの回答は、『36協定締結等の確認については、基本的には口頭で行っております。ただし、疑義等がある場合は、書面の提示を求め、労働基準監督署とも連携しながら、必要に応じて事業主への指導を行っております。限度基準を超えていない場合及び有効期限切れの確認についても同様です。』とのことでした。厳格な確認を行わず、虚偽(労基法違反の可能性があるかも?)の求人を求職者に公開するのは、いかがなものかと思います。

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匿名ユーザー 男性

応募しなければいいだけでは?
きちんと条件を提示している募集先を探せばいいだけですし、履歴書を渡すことすら心配になるような募集先に拘泥する理由が分かりません。
後から条件がクリアになったとしても、信用できないと感じたところで働く気になるとは思えないのですが。

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無職おじさん 50代 男性

「応募しなければいい」などと無責任な発言は良いと思えません。仕事を探している人の、地域的な制限や時間的制限、金銭的な制限など、各種希望条件があるかもしれません。
どんな場合も売り手市場オンリーであろうはずもありません。それでも仕事が欲しい人もいることを考えて意見すべきです。

匿名ユーザー 男性

上で「応募しなければいい」と書いた者ですが、貴方の意見は「信用できない職場でも応募すべき」でしょうか?
そうであれば賛同できません。
問題のある企業が存続できるのは、そこで働く人がいるからです。
言い換えれば、問題がある状態でもそれで人が集まり、業務が回るから改善されないのです。
求人の話に当てはめるなら、問題のある募集がなくならないのは、それで応募があるからです。
そういう意味では、問題のある募集に応募する人も問題の再生産に加担していると言えます。
問題を考えるのであれば、解消を望むのであれば、「応募してはいけない」んです。
貴方の意見が「人それぞれ事情があるんだから一概には言えない」程度のものであるなら、それこそ浅薄であると考えます。

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