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働き方改革から取り残される「厚労省」 霞が関の残業実態調査、8項目でワースト1位
霞国公の中沢幸路さん

働き方改革から取り残される「厚労省」 霞が関の残業実態調査、8項目でワースト1位

霞が関国家公務員労働組合共闘会議(霞国公)が7月25日、中央省庁の11の労働組合員に実施したアンケート結果を公表した。それによると、月平均残業時間や休日出勤、退庁時間23時以降など8つの項目で厚生労働省がワースト1位となり、働き方改革を進める厚労省で過重労働の実態が浮き彫りになった。

●厚労省労働部門で6割が「過労死の危機を感じたことがある」

アンケートは2017年3月、17組合の組合員を対象に行い、11組合約1871人から回答(回収率18.7%)を得た。霞ヶ関で働く一般職員(約34000人)の5.5%に相当する。

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厚生労働省(厚生部門・労働部門)がワースト1位となったのは、月平均残業時間▼過労死の危険を現在感じているか▼過労死の危険を感じたことがあるか▼国会対応での残業が多い▼残業手当に不払いがあるか▼定時退庁日に定時退庁できない▼休日出勤があるか▼退庁時間23時以降ーーの8項目。

月平均の残業は厚労省の厚生部門が53.1時間と最も多く、同省労働部門が49.1時間と続いた。また、同省労働部門の約8割以上が「残業手当に不払い部分がある」と答えており、11組合平均の約4割を大きく上回った。

また、厚労省労働部門の1割が「過労死の危険を現在感じている」とし、同部門の6割が「過労死の危機を感じたことがある」と答えた。全労働の原和義支部長は、「今回のアンケート配布したのは2018年3月。ちょうど働き方改革法案の審議中で、担当部局が例年以上に厳しい状況にあった」とみる。

同省の労働部門、厚生部門それぞれ約5割が「国会対応での残業が多い」と回答しており、原支部長は「残業の1番大きな要因は、国会対応。厚労省は取り扱う所管が幅広く、委員会に関わることも多い」と指摘。「厚労省も内部で超勤削減のための方策を行っているが、国会対応の場合は、他律的な要素が大きく、省内での努力の改善には限界がある」と分析している。

(弁護士ドットコムニュース)

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