検察で不祥事が相次ぐ中、組織トップの検事総長をつとめた畝本直美氏が8月12日、退任の記者会見を開いた。
畝本氏は、相次ぐ不祥事について「検察運営の最終責任者の立場にあった者として誠に遺憾であり、申し訳ないことだと思っています」と述べた一方、今後については「新検事総長のもと、良き伝統は守りつつ、国民が検察に寄せる期待に応えてくれると確信している」と語った。
袴田巌さんの冤罪事件をめぐり、再審無罪判決を「控訴して上級審の判断を仰ぐべき内容」などとした自身の検事総長談話については「犯人視するものではない」と改めて否定し、撤回する考えを示さなかった。
●袴田さん「犯人視」と批判された談話、撤回の考え示さず
1966年に静岡で一家4人が殺害された事件で、一度は死刑が確定した袴田さんは、2024年9月の再審で無罪判決を受けた。
検察が控訴を断念する際、畝本氏は検事総長談話を発表。再審無罪判決について「控訴して上級審の判断を仰ぐべき内容」などとする見解を示した。
これに対し、袴田さんの弁護団は「無罪になった袴田さんを犯人視するもの」などと反発。その後、国に損害賠償と謝罪広告を求める訴訟を起こした。
この日の会見では、この検事総長談話を「撤回する考えはあるか?」との質問が出た。
畝本氏は「控訴しないという判断のプロセスを示したもので、(袴田さんを)犯人視するものではないし、犯人視するつもりもない」と説明し、撤回する考えは示さなかった。
●不祥事相次ぐも「国民の期待に応えてくれると確信」
検察では近年、不祥事が相次いでいる。
畝本氏は冒頭のあいさつで、「検察運営の最終責任者の立場にあった者として誠に遺憾であり、申し訳ないことだと思っています」と振り返った。
一方で、今後の検察のあり方については、次のように期待を寄せた。
「今後は、川原(隆司)新検事総長のもと、検察が一丸となって、良き伝統は守りつつ、直面する様々な課題に正面から対峙し、変化する時代や社会に対応し、国民が検察に寄せる期待に応えていってくれるものと確信しています」