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解雇予告から即社外追放…日本IBMのロックアウト訴訟、第4次も元従業員が勝訴 
山内一浩弁護士

解雇予告から即社外追放…日本IBMのロックアウト訴訟、第4次も元従業員が勝訴 

突然の解雇予告後、会社への立ち入りを禁止される「ロックアウト(締め出し)」を受けたとして、日本IBMの元従業員(50代男性)が、会社を訴えていた訴訟の判決が3月8日、東京地裁であった。佐々木宗啓裁判長はIBMに対し、解雇の無効や約3年分の給与・賞与を支払うよう命じた。

IBMの解雇をめぐっては、現在11人が5つの裁判で争っている。今回の第4次訴訟も含め、判決に至った3つの裁判ではすべて元従業員が勝訴(うち2つは会社側が控訴)。労働組合によると、5件のうち3件で和解に向けた話し合いが進んでいるという。

判決によると、男性は2014年3月、突然2週間後の解雇を予告された。すぐに社外に出るよう指示され、翌日から入館証も無効になったという。男性は、解雇には正当な理由がないとして、解雇の無効やロックアウトの違法性を訴えていた。

解雇について、会社側の言い分は男性の業績不良。一方、男性側は、社員約1万4000人に対し、組合員約140人と組織率が低いにもかかわらず、同時期に解雇された50人のうち、35人が組合員であったことから、組合潰しの意図があったと主張していた。

裁判所は、男性の業績不良について会社側の言い分を一定程度認めたが、会社が配置転換などを検討していなかったことから、権利濫用として解雇を無効と判断。一方、機密情報の漏えいを防ぐ観点から、ロックアウトについては「合理性がある」として、違法性を認めなかった。また、退職勧奨など、解雇の危険性を感じて組合に加入した者が少なくないとして、組合員を狙い撃ちにした解雇とはいえないとした。

判決を受けて、男性側代理人の山内(さんない)一浩弁護士は、「IBMに全面的な労使紛争の解決を求めていきたい」とコメント。日本IBMは「当社の主張が認められなかったことは、誠に遺憾です」としている。

(弁護士ドットコムニュース)

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