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生活保護申請の妊婦に自治体職員が「産むの?」中絶ほのめかす…対応の不備認め謝罪
ABC / PIXTA(ピクスタ)

生活保護申請の妊婦に自治体職員が「産むの?」中絶ほのめかす…対応の不備認め謝罪

首都圏のある市の福祉事務所で今年1月、生活保護を申請しに来た40代の妊婦に対し、職員が「産むの?」など堕胎をほのめかす発言をしていたことが分かった。女性の支援団体が3月8日、記者会見で明らかにした。

市は弁護士ドットコムニュースの取材に対し、「確認をしただけで、中絶を求める意図はなかったが、そのように受け止められてしまった点については配慮が足りなかった」と回答。女性に対してはすでに謝罪しているという。

支援団体「POSSE」スタッフの今岡直之氏によると、行政が対応の不備を認め、謝罪する例は珍しいという。

●生活保護受けずに5年間頑張ったが…

「POSSE」によると、女性は日本の永住権を持つフィリピン人のシングルマザーで、高校生の息子が1人いる。約5年前、日本人の夫と離婚し、スーパーの深夜パートなどをしながら、生計を立てていたという。しかし、今年に入って妊娠が発覚。腹部に痛みがあり、品出しなどの作業が困難になったとして1月中旬、生活保護を申請しに福祉事務所を訪れた。

職員から「産むの?」などの言葉をかけられた女性はショックを受けて、そのまま帰宅。2月に入って再度、申請に行ったときも、長男のアルバイトを増やすことなどを勧められ、申請できなかったという。しかし、同日中に「POSSE」のスタッフと再訪したところ、市は申請を受理した。

今岡氏によると、生活保護をめぐり、妊婦と行政との間でトラブルが起こることは珍しくないという。今回の事例を受けて、POSSEは3月12日午前11時〜午後3時まで、妊婦を対象にした生活保護関連の無料電話相談を実施する。電話番号は、0120-987-215。

(弁護士ドットコムニュース)

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