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2016年10月24日 10時00分

マイナンバー「通知カード」170万世帯に届かず…どんなデメリットがある?

マイナンバー「通知カード」170万世帯に届かず…どんなデメリットがある?
写真はイメージです

マイナンバー法が施行され、10月5日で1年となった。しかし、NHKの報道(10月5日)によれば、マイナンバーの通知カードが、約170万世帯に届いていないという。マイナンバーの12ケタの番号は「通知カード」によって通知されているが、全国の約5968万世帯のうち、2.8%にあたる約170万世帯には届いていないそうだ。

理由としては、受け取り拒否や「なんとなく受け取りそびれてしまった」というケースもあるようだが、住民票のある住所と、実際に住んでいる住所とが違う場合などでも届いていないケースが起こっているようだ。

マイナンバーの通知カードを受け取らないことは、デメリットはないのだろうか。水町雅子弁護士に聞いた。

●通知カードを受け取らないと?

「社会保障や税の手続きでは、マイナンバーを使う必要があります。マイナンバーの通知カードを受け取らなくても、すでに全国民にマイナンバーは付与されていますので、通知カードがなければ原則として、『マイナンバー付きの住民票の写し』を使うことになります。

通知カードがあれば簡単にすむ手続きでも、マイナンバーを提出するたびに、役所が開いている時間帯に行って、手数料を支払って住民票の写しを取得しなければなりません。このような煩雑さを考えると、通知カードを受け取った方が便利だと思います」

思想信条からマイナンバーの提供を拒否する人もいるようだ。

「勤務先やその他の機関からマイナンバーの提供を求められた場合に、拒否することも事実上できなくはありません。

しかし、デメリットも考えられます。マイナンバーは脱税や社会保障の不正受給など、不正を是正する効果が見込まれているため、マイナンバー提供を拒否してしまうと、不正を疑われる可能性もなくはありません。

また、思想信条からマイナンバーの提供を拒否したり、脱税等のためにマイナンバー提供を拒否しても、税務署などには別ルートでマイナンバーを把握されてしまいます。別ルートで把握すると税務署などにとっても手間がかかり、行政効率化・不正是正というマイナンバーの効果が低減する可能性もあるので、本人からのマイナンバー提供が原則とされています。

なお、マイナンバーカードを受け取る際には、通知カードを返納することになります。通知カードを受け取っていない場合は、住民票住所地の市町村のWebサイトを確認したり、電話をかけて聞いてみるなどして、受け取るようにした方がよいでしょう」

(弁護士ドットコムニュース)

水町 雅子(みずまち・まさこ)弁護士
内閣官房にて、マイナンバー制度の立案作業、マイナンバー法案の立法作業、指針・ガイドライン等の案文作成作業を担当。マイナンバー・個人情報に関する著書・論文等多数。日本経済新聞社、2015年企業が選ぶ弁護士ランキング情報管理分野第5位。弁護士登録前にシンクタンクでSE、ITコンサル等を経た経験から、マイナンバー、個人情報以外にも、ITシステム開発紛争等をはじめとするIT法を専門とする。その他、企業法務、行政法務全般を扱う。ITをめぐる法律問題についてブログを執筆している(http://d.hatena.ne.jp/cyberlawissues/)。
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