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パンプス強制にNO「#KuToo」署名提出…女性のみ着用指示は「性差別、法規制を」
会見に参加した石川さん(2019年6月3日、弁護士ドットコム撮影、東京都)

パンプス強制にNO「#KuToo」署名提出…女性のみ着用指示は「性差別、法規制を」

職場でヒールやパンプスを履くよう強制する風習をなくしたいーー。職場での「パンプス強制」に悩んできた女性が6月3日、事業主がハイヒールやパンプスの着用を女性のみに命じることを禁止する法規制を求めて、1万8856人分のインターネット署名を厚生労働省に提出した。

インターネット署名サイト「change.org」で署名を呼びかけていたのは、グラビア女優でライターの石川優実さん(32)。

署名提出後に東京・霞が関の厚労省記者クラブで会見し、「署名提出は第一歩。フラットな革靴を履いていても、マナー違反ではないという風潮になっていったら」と訴えた。

●「フラットな革靴で働けたら」

石川さんは1年前から葬儀場でアルバイトしているが、採用された時に、仕事中はストラップなしのパンプスを履くように説明を受けた。就業規則にも5〜7センチのパンプスを着用するよう書かれていたという。

「同じ仕事なのに、男性社員はフラットな革靴を履いていて、私はハイヒール。同じような靴で働けたら、どれだけ仕事の効率がよくなるんだろう」

2019年1月、自身のツイッターで「私はいつか女性が仕事でヒールやパンプスを履かなきゃいけない風習をなくしたいと思ってるの」などと投稿。

すると、ツイートは2万9千回以上RTされ、自分と同じ思いをしてきた女性がたくさんいたことに気づいた。それから、「靴(くつ)」、「苦痛(くつう)」、「#MeToo(みーとぅ)」を合わせた「#KuToo」というハッシュタグが生まれ、2月10日からは「change.org」で署名活動も始めた。

●「個人的な問題と思わされてきた」

要望書では、

・事業主がハイヒールやパンプスの着用を女性のみに命じることは、性差別もしくは性別に関するハラスメントに当たり禁止するとの法規定

・男女雇用機会均等法11条の「セクシュアルハラスメント」の対象に、「性別により役割を分担すべきとする意識」(ジェンダー)に関する言動を含めて、事業主がハイヒールやパンプスの着用を女性に命じることもセクハラとし、違反する事業主を指導

などを求めている。

石川さんの元には、ホテル業界、受付、病院などの受付、携帯ショップ、ファミレス、営業職、結婚式場、葬儀会社などで働く女性からの声が多く寄せられたそうだ。

石川さんは「雇われている立場の個人が上司に訴えることは難しいので、上から通達してもらうのがいいのではないかと厚労省に署名提出した」と経緯を説明。

「多くの女性は個人的な問題と思わされてきた。『マナー』や『女性だから履かなければいけない』というはっきりしない理由に対して、なにも言えない人が多かった」と話し、署名提出により社会の空気が変わることを期待した。

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