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飲酒運転で事故、同乗者をケガさせた…「乗った方も悪い」と、過失は認められる?
画像はイメージです(acworks / photoAC)

飲酒運転で事故、同乗者をケガさせた…「乗った方も悪い」と、過失は認められる?

飲酒運転で事故を起こし、同乗者に怪我を負わせてしまった。そんな場合、同乗者への慰謝料は必要なのか? そんな相談が弁護士ドットコムに寄せられた。

相談者は保険に入っており、治療費については保険でまかなうことができる。そこで、治療費以外にも、慰謝料の支払いも必要なのか、と質問をしている。

飲酒運転の同乗者には、刑事上の責任が生じる場合があるはずだ。そこで、事情によっては過失相殺により減額される可能性はあるのか。岡田正樹弁護士に聞いた。

●過失相殺、減額の可能性も

「今回の相談者が、慰謝料を請求される可能性はありますが、過失相殺の類推で減額を主張することもできます。

まず、飲酒運転に同乗するという場合にも、色々なケースがあります。裁判例を見ると、(1)危険を承知している (2)危険に関与したり増幅した、この2つの場合に大きく分けられます。」

(1)の「危険を承知している」場合について、教えてください。

「一緒に飲酒していた場合には当然、運転手が飲酒していることを承知していることになります。同乗者自身が飲酒していなくても、朝になって、前日のアルコールが抜けていないのを承知していても該当します。この場合、一般的に10から15%の減額とされています」

(2)の「危険に関与したり増幅した」場合とは、どういう状況でしょうか。

「運転手が飲酒したことを知っているだけではなく、その状態で運転することを勧めたり頼んだりした場合です。一緒に飲酒して、二次会など次の場所に移動するために積極的に運転をさせたような場合が該当します。この場合は、一般的に20から25%の減額とされています」

飲酒運転の危険性がこれだけ周知されても、なくならないことは残念です。

「そうですね。減額の幅は、運転者と同乗者の社会的・身分的な関係、飲酒量、あるいは被害の程度も影響しますし、裁判官の価値判断によります。また、飲酒運転に対する社会的な批判は最近大きくなっており、減額幅もより厳しくなる可能性もあります」

この記事は、公開日時点の情報や法律に基づいています。

プロフィール

岡田 正樹
岡田 正樹(おかだ まさき)弁護士 むさしの森法律事務所
交通事故被害を中心に、医療訴訟等を手がけて弁護士歴37年。条文構造、実況見分見取図の語る事実、さらに医療記録のカルテと画像分析に興味があります。事故による被害のよりよき解決を心がけています。

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