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2013年08月25日 11時43分

AV出演の消防士が「停職6か月」 どこが「法律違反」だったのか?

AV出演の消防士が「停職6か月」 どこが「法律違反」だったのか?

アダルトビデオに出演し現金を受け取っていたとして、大阪府四條畷市の消防士2人が懲戒処分となった。

報道によると、2人は昨年8月に兵庫県の須磨海岸で見知らぬ男に「いい体をしている」「女性との性行為を撮らせてもらえないか」とスカウトされ承諾。その日のうちに近くのマンションでAV撮影に参加した。その後も同性愛者向けの作品などに数回出演し、業者から計7万円を受け取っていたという。7月下旬、市に告発文とDVDのコピーが送られてきたことで発覚したという。

2人は地方公務員法(営利企業等の従事制限など)に基づき停職6か月の処分となったという。もちろん、彼らの行動が軽率だったことに異論を唱える人はいないだろうが、具体的にはどの部分が「法律違反」とされたのだろうか。たとえば、AVに出てもそれが「無償」だったら、処罰はされなかったのだろうか。労働問題にくわしい高島秀行弁護士に聞いた。

●地方公務員の「副業」が法律で禁止されているワケ

「地方公務員の副業は、地方公務員法38条で禁止されています。そもそも公務員に限らず、一般のサラリーマンでも、就業規則により、副業を禁止されていることが多いです」

このように高島弁護士は、公務員の「副業禁止」について説明する。そのうえで、副業が禁止されている理由について、次のように述べる。

「これは、他の仕事をすることで、肉体的や精神的に本業に集中できず、仕事に支障が出ることを防ぐためです。また最近では、秘密保持の観点から、本業の秘密を副業の際に利用したり、流出されたりしては困るということもあります。

また、公務員や従業員が、世間的にイメージの良くない副業に就くことにより、勤務先の社会的な信用を失わせることにもなるということも、副業禁止の理由です。この点は、一般のサラリーマンも、公務員も変わりません」

さらに、公務員については、民間企業の従業員よりも「副業禁止」が求められる度合いが強いという。

「公務員の場合、国民全体の奉仕者とされ、特定の業種に利益を与えていると疑われてはならない『職務の公正や中立性』を要求されます。また、国民に対して、義務の履行を求めたりする立場にあることから、公務員として『国民の信頼』を得る必要もあります。そこで、一般のサラリーマン以上に、副業については厳格に規制されているのです」

●公務員は、「信用失墜行為」も法律で禁じられている

公務員の「副業」禁止はこのような理由によるということだが、それに加えて、「国民の信頼」を維持するという観点から、法律では「信用失墜行為」も禁じられている(地方公務員については地方公務員法39条)。

「AV出演については、現在の国民の意識ではイメージが良くなく、公務員あるいは勤務する市の社会的な信用を失わせる行為と言えるでしょう。したがって、今回の行為は、副業禁止にも信用失墜行為禁止にも違反することとなります。

無償でも、AV出演は、公務員あるいは勤務先である市の社会的な信用を失わせることに変わりはありませんから、信用失墜行為禁止に違反し、処分の対象となります」

「AVに何回か出演しただけ停職」というのは気の毒な気もするが、公務員という立場を考えると処分はやむを得ないことのようだ。公共性の高い仕事に就いている分だけ、民間企業で働く人よりも厳しいルールが課せられているということだろう。

(弁護士ドットコムニュース)

高島 秀行弁護士
「ビジネス弁護士2011」(日経BP社)にも掲載され、「企業のための民暴撃退マニュアル」「訴えられたらどうする」「相続遺産分割する前に読む本」(以上、税務経理協会)等の著作がある。ブログ「資産を守り残す法律」を連載中。http://takashimalawoffice.blog.fc2.com/
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