2019年06月19日 09時57分

夫が社内不倫で妊娠させた…相手の女を異動に追い込みたい! 妻の逆襲

夫が社内不倫で妊娠させた…相手の女を異動に追い込みたい! 妻の逆襲
写真はイメージです(metamorworks / PIXTA)

夫と社内不倫をしている女性が妊娠したので、女性を異動させるなどの対応を会社にお願いしたいーー。弁護士ドットコムに、このような相談が寄せられています。

相談者によると、夫の不倫相手は転勤を伴う期限つきの配属だったようです。しかし、不倫相手は「交際している彼がいるので、1年延期したい」と上司に頼みこみ、期限を延長していたといいます。

「『彼』というのは夫のことです。上司に不倫を隠し、妻である私の心を踏みにじったことは、到底容認できません」と、相談者は怒りをおさえきれない様子です。

相談者は夫の会社に行き、人事部または所属部門に話をして、不倫相手を異動させようと考えているようです。一方で「法的にセーフなのだろうか」という不安も抱いているといいます。女性の行為は許されるのでしょうか。澤藤亮介弁護士に聞きました。

●行き過ぎると「犯罪」になってしまうことも

ーー相談者の行為は法的に問題があるのでしょうか

「このような不倫事案の場合、不倫された妻は、夫の不倫相手『個人』に対し、夫との不貞行為を原因とする慰謝料請求をおこない、妻として被った精神的損害を慰謝料という『金銭』で償うよう求めることが、法律上の本来あるべき形です。

もし、不倫相手やその勤務先に対し、妻がメールや電話でしつこく抗議したり、会社に押しかけたりするなどの行為をした場合は、その方法や回数などによっては、民事上の不法行為(民法709条)にあたります。

その結果、不倫相手や勤務先から損害賠償を求められ、最終的に、本来もらえるべき不倫慰謝料が減額されてしまう可能性もあるのです」

ーー民法上の不法行為だけではなく、刑法上の「犯罪」にあたる可能性もあるのでしょうか

「極論にはなりますが、不倫相手個人や勤務先の業務を妨害するほどの行為をした場合は、業務妨害罪(刑法233条、234条)にあたる可能性があります。

また、勤務先に対する害悪を告知するなどして、交際相手本人やその上司に、むりやり面会や謝罪をさせれば、強要罪(刑法223条)などに問われる場合もあります。このように、刑事上の処罰まで受ける可能性が出てきますので、注意が必要です」

●業務に支障が生じている場合は、懲戒処分の対象となりうる

ーー相談者は夫と別れてもらうため、不倫相手を異動させたいようです。不倫を理由に、勤務先が異動や解雇をおこなうことはできるのでしょうか

「勤務先が従業員を処分することができるのは、社内における秩序を乱したり、業務に具体的な支障が生じたりした場合などに限定されます。

社内不倫の場合、直ちに社内の秩序を乱したなどの支障が生じるとは言い切れません。しかし、2人が同じ部署や業務を担当している場合など、他の従業員との関係で実際に業務に支障が生じている場合には、異動を含む懲戒処分の対象となりうるでしょう。

他方、懲戒処分として解雇することが認められるかどうかについては、判例は基本的に慎重な立場です」

ーー会社が応じてくれないことを理由に、相談者が自ら不倫相手に対して、会社を辞めるように言った場合、不倫相手は応じる義務があるのでしょうか

「さきほど述べたとおり、法律上は、不倫された妻との『慰謝料』の問題に尽きます。たとえ妻との慰謝料をめぐる裁判で敗訴したとしても、裁判所から不倫相手に対し『会社を辞めろ』との判決が出ることはありません。

したがって、不倫相手の女性は、妻からの要求に従って勤務先を辞める必要はありません」

取材協力弁護士

澤藤 亮介弁護士
東京弁護士会所属。離婚、男女問題などを中心に取り扱う。自身がiPhoneなどのデバイスが好きなこともあり、ITをフル活用し業務の効率化を図っている。日経BP社『iPadで行こう!』などにも寄稿。

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