2018年03月26日 10時24分

キャバ嬢「辞めたら付き合う」の嘘、180万円つぎ込んだ男性は慰謝料請求できる?

キャバ嬢「辞めたら付き合う」の嘘、180万円つぎ込んだ男性は慰謝料請求できる?
画像はイメージです(KAORU / PIXTA)

通い始めて3か月目で指名していたキャバ嬢に交際を申し込んだという男性。「訴訟を起こすことは可能でしょうか」と弁護士ドットコムの法律相談コーナーに相談を寄せました。

キャバ嬢からの返事は「今は夜のお仕事してるから 夜辞めるまで待ってくれる?」というものでした。それから男性は、女性のノルマ達成のため高級なシャンパンを注文したり、ブランドバックをプレゼントしたり、一生懸命尽くし、8か月で約180万円を使いました。

これまでに複数回「付き合うのが嘘なら、これ以上無駄な時間とお金を使いたくないので ハッキリ言ってくれ」と言ったそうですが、女性からは 「夜辞めたら ちゃんと付き合うし」と言われていました。

しかし、最近他の人を通じて「もう来ないで欲しいと言っていた」と聞き、男性は「使った金額が大きいので引き下がれません。お金がどうこうよりも私の気がすみません」と訴訟を起こすことを検討しているようです。

このような場合、慰謝料請求は可能なのでしょうか。渡邊幹仁弁護士に聞きました。

●慰謝料請求は困難

「結論としては、慰謝料請求は困難です」

どうしてなのでしょうか。

「いわゆるキャバクラでは、女性従業員がいわゆる営業トークをすることが前提となっています。

このような形態の店舗では、女性従業員が、客の男性の気を引くような営業トークをすることで、なるべく多く飲食してもらうようにしたり、またプレゼントをしてもらうようにしたりする、ということが日常茶飯事のこととして行われています。

また、客もこれをある程度承知しているということが前提となっていると考えられます。

キャバクラのような業務形態では、その営業中に女性従業員から交際をほのめかすような言動があったとしても、それは通常、営業トークの一環と言え、客も通常営業トークと捉える場合がほとんどだと考えられます」

●「営業トークの一環」であれば、違法性は問えない

女性の言動は、あくまで営業トークと捉えておく必要があるということだ。こうした営業トークは、男性を「騙した」とは捉えられないのだろうか。

「キャバクラのような業務形態で、通常許されるべき範囲を超えて積極的に働きかけたり、それが容易に嘘だと判断できないような虚偽の事実を述べて騙すような言動があったなど、特段の事情があれば別です。

ただ、営業トークの一環だと分かる範囲を超えていなければ、違法性があるとは言いがたいです。故意または過失によって他人の権利を侵害したとして、不法行為責任が生じることはないと考えられます」

女性従業員が「夜辞めたら ちゃんと付き合うし」などと話していたのは営業中だということです。

「今回の相談のケースは、前述したような特段の事情はなさそうです。そうだとすると、やはり相手の女性に不法行為責任を追及して、慰謝料を請求することは困難だと考えられます。

もし女性のために使った金額がもっと大きなものだったとしても、その経緯や、女性からの働きかけの有無、男性の資力など、その条件や理由によりますので、単純に金額が大きければ慰謝料が請求できるという問題ではないと思います」

(弁護士ドットコムニュース)

取材協力弁護士

渡邊 幹仁弁護士
離婚・親子関係などの家事事件、男女問題、不法行為に関する事件や、刑事事件・犯罪被害事件を数多く取り扱っている。

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