LINEは11月16日、送信したメッセージを時間限定で取り消せる機能をもうけることを発表した。12月以降に実装し、対象となるのは24時間以内に送信したメッセージになる予定。この機能により、いわゆる「誤爆」を防ぐことができる。
ただ、誤爆ではなく、メッセージの履歴を消すための手段としても使うことができそうだ。例えば、これまで、不倫の証拠として、LINEのスクリーンショットなどが出てくることもあるため、法曹関係者からは「不倫の証拠も全部消せるね(^_^)」などの声もあがっている。
確かに、不倫カップルがやりとりをして、24時間以内にお互いに証拠を残さずに消すことができれば、「証拠隠し」に使えそうだ。
今回の新機能は、不倫の証拠隠しのために使えるのだろうか。一般的に不倫の証拠隠しにはどんな困難が伴うのか。長瀬佑志弁護士に聞いた。
●LINEメッセージは証拠価値の高い資料の一つ
そもそも離婚原因となる「不貞行為」の証拠にはどのようなものがあるのか。
「不貞行為の立証するための資料としては、不貞行為をしたことを認める謝罪文や誓約書、不貞現場の写真やビデオなどのほかに、パソコンや携帯電話でのメール、Facebookやブログなどが考えられます。LINEメッセージもそのうちの一つです」
証拠としての価値は高いのか。
「メールやFacebook、ブログの記載内容、LINEメッセージは、不倫カップルが好意を寄せ合っていたり、肉体関係を持ったことを推測させたりするようなやりとりが残っていることも少なくありません。これらは、不貞行為を客観的に立証しうる、証拠価値の高い資料の一つといえます」
それでは、今回の送信取消機能で不倫を隠しやすくなるということか。
「確かに、LINEのメッセージの送信取消機能によって、送信したLINEメッセージを取り消すことができることになれば、不貞行為を客観的に立証しうる資料を消去することができ、不倫の証拠隠しにはなるといえます。
ただし、LINEメッセージ等を削除する前に、LINEメッセージのやり取りが発覚してしまえば、その時点で写真に撮られたりするなどして、証拠として保存されてしまう可能性があることは否定できません。
LINEメッセージの送信取消機能がもうけられるとしても、決して不倫の証拠隠しが確実にできるようになるというわけではありませんので、ご留意ください」