個人情報の流出が相次ぐ中、自分の情報が漏れたと知らされても、何をすればよいのかわからない──。そんな不安を抱える人は少なくないようだ。
カーシェアサービスやECサイトなどで大規模な情報流出が続く中、弁護士ドットコムニュースが読者に体験談を募ったところ、流出の通知を受けた人の戸惑いや、企業などの対応に対する不満が寄せられた。
なかには、情報流出への不安から、インターネットを使わない「アナログな手段」で自衛しているという人もいた。
●「どこで買い物したかもわからない」続く不安
大阪市の50代女性は、9月末に届いていた個人情報の流出を知らせるメールに、10月10日まで気づかなかったという。
通知を送ってきたのは、複数の店舗から業務を委託されていた事業者とみられるが、女性には心当たりがなかった。
「私がいつ、どこのストアでどのように買い物したかもわからない状態です。今は不正なクレジットでの引き落としがないか日々確認するだけです」
東京都の50代女性は、通販サイトで身に覚えのない注文をされた経験がある。
「オーストラリアの誰かがスニーカーを注文して、オーストラリアで受け取る被害」のほか、「埼玉県内のどこかで誰かがお菓子を注文して受け取ろうとしていた」こともあったという。
いずれも注文確認メールで気づき、すぐにカスタマーセンターに連絡したため、決済されずに済んだ。
●「漏れるつもりでやってない」企業の説明に不信感
情報流出への不安から、インターネット上でのサービス利用をためらう人もいる。
岐阜県の40代男性は、銀行のインターネットサービスへの登録キャンペーンをきっかけに銀行を訪れ、情報が漏れた場合の対応について尋ねたことがあるという。
ところが、銀行側から返ってきたのは「漏れるつもりでやってない」という言葉だった。
万が一の対応策について十分な説明が得られなかったといい、男性は今もネット口座への登録を見送っている。
近畿地方の40代男性は数年前、自治体から訴訟資料を誤送信された経験がある。
その自治体が被告となっている訴訟の資料が、訴訟とは無関係の男性のメールアドレスに送られてきたという。
男性によると、自治体に問い合わせたものの、いまだに対応されないままだという。
●「大事なことはアナログで」自衛に努める人たち
情報流出のリスクを少しでも減らそうと、自分なりの対策を講じている人もいる。
40代の男性は「漏えいによる実害はまだ起きていません」としながらも、次のように話す。
「まさかに備え、大事なことはなるだけアナログな手段または電磁的記録が残らない手段で伝達し合うよう意識してます」
和歌山県の女性は、情報流出への対策として「定期的にパスワード変更」しているという。
「なるべく桁数を長くし、英字と数字を混ぜています」
島根県の40代女性は「不要なアプリは削除した」と回答。青森県の40代男性は、職場のメールアドレスになりすましメールが届いたことをきっかけに「職場においても、安易に連絡先を教えないように努めた」という。
ただ、どれだけ自衛していても、利用するサービスから個人情報が流出するリスクを完全になくすことは難しい。
そもそも、流出の通知が届いても、自分のどのような情報が漏れたのか、何をすればよいのかわからないという人もいる。
福岡県の40代女性からは、こんな提案が寄せられた。
「一般の利用者が情報流出の有無を確認できる仕組みがあれば安心だと思います」