「縁起悪いようにみえるんですけど…」
SNSに投稿された、ある「マタニティマーク」が注目を集めました。
写真に写っていたのは、パールや白い布などで華やかに飾られたロゼットタイプのマタニティマーク。中央には、おなじみの母親と赤ちゃんのイラストが描かれています。
ただ、一般的によく目にするピンクと青のマークとは異なり、イラストはモノクロ調。これに対し、SNSでは「素敵」という声がある一方、「喪章のようです」といった意見も寄せられていました。
そもそも、マタニティマークの色やデザインは自由に変えていいのでしょうか。また、ハンドメイドしたマタニティマークを商品として販売することにルールはないのでしょうか。
調べてみると、デザインだけでなく「販売」についても、意外な決まりがありました。
●デザインの変形や指定外の色は禁止
そもそも、マタニティマークとはどういうものなのでしょうか。 政府広報オンラインによると、母子保健分野の国民運動計画「健やか親子21」の取り組みの一環として、2006年に誕生しました。
マタニティマークには、主に二つの役割があります。
一つは、妊産婦が身につけることで周囲に妊娠中であることなどを知らせ、緊急時などに適切な対応を受けやすくすること。もう一つは、交通機関や職場などで掲示することで、妊産婦に配慮した環境づくりを促すことです。
ただし、マタニティマークは好きなようにアレンジして使えるわけではありません。「マタニティマークの趣旨に反しない」など、一定のルールを守る必要があります。
デザインについても決まりがあります。こども家庭庁が公開している「マタニティマーク使用ガイド」によると、デザインを変形したり、指定された色以外を使用したりすることは禁じられています。
●「モノクロ」は大丈夫?
では、今回のようなモノクロ調のマタニティマークは、ルール上問題ないのでしょうか。
ガイドには、一般によく知られているピンクと青を使った「カラー指定」だけでなく、「グレー指定」も掲載されています。さらに、1色で印刷する場合には「スミ」や「濃い色」を使う方法も示されています。
つまり、ガイドに定められた色指定に沿っているのであれば、「モノクロだからルール違反」というわけではありません。
また、「ロゼット」に加工することも禁じられていません。
ガイドの「よくあるお問い合わせ」では、マタニティマークが使われているものとして、ロゼットを含め、ポスター、パンフレット、キーホルダー、ノベルティグッズ、ウェブサイト、動画、教材、出版物、案内看板などが挙げられています。
●利益を得るための「販売」には制限
さらに意外なのが、マタニティマークを使った商品の「販売」に関するルールです。 ガイドには、こんなQ&Aがあります。
「マタニティマークを用いたハンドメイドのロゼットやキーホルダー等を販売できますか?」
これに対して、こども家庭庁は、マタニティマークの普及啓発を目的とした商用利用は可能としたうえで、「マタニティマークのデザイン自体が主たるコンテンツとなる商品で利益を得ることは不可」としています。
さらに、「あくまで実費相当分の価格での販売をお願いします」としています。
つまり、マタニティマークを使ったロゼットやキーホルダーを販売すること自体が一律に禁止されているわけではありません。ただ、マーク自体を主な商品価値として利益を得ることは認められていないということです。
使用規程でも、第三者は趣旨に基づく場合には自由にマタニティマークを使用できるとする一方、「営利を主たる目的とした場合」は使用できないと定めています。
かわいくアレンジしたり、ハンドメイド作品として販売したりするときにも、こうしたルールを知っておく必要がありそうです。