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「法廷で白黒をつけたい」グローバルダイニング訴訟、初弁論 都は全面的に争う姿勢
会見する長谷川耕造社長(2021年5月21日、東京都内、弁護士ドットコムニュース撮影)

「法廷で白黒をつけたい」グローバルダイニング訴訟、初弁論 都は全面的に争う姿勢

新型インフルエンザ対策特別措置法(特措法)に基づく時短命令を2021年3月に受けた飲食チェーン「グローバルダイニング」が、命令は違憲・違法だとして、東京都を相手取り、損害賠償を求める訴訟の第1回口頭弁論が5月21日、東京地裁(松田典浩裁判長)であった。

グローバルダイニングの長谷川耕造社長は、意見陳述において、「コロナ禍で、会社存続のためだけに20億円の負債がうまれたが、苦しいのは自分たちだけではない。憲法違反を許してもいいのか、違法な命令が許されるのか。この法廷で白黒をつけたい」と主張した。

●都は全面的に争う姿勢

この訴訟の進行をめぐっては、原告側が、第1回期日までに訴状に対する認否および具体的な反論を都に求める意見書(4月1日付)を提出。都は、これに応じる形で、期日の1週間前の5月14日に、55ページにわたる「答弁書」で回答した。

答弁書によると、都は、(1)時短命令は、グローバルダイニングを「狙い撃ち」し、「見せしめ」目的でおこなわれたもの、(2)同時短命令は特措法上の要件を満たしていないなどとする原告側の主張を否認。さらに、(3)特措法などの法令の規定は違憲との主張に対しては、「憲法適合性を審査すべき義務がない」と反論するなど、「命令は違憲・違法」とする主張について全面的に争う姿勢を示し、請求棄却を求めた。

原告側は、答弁書における都の主張内容をさらに問いただすため、反論に先立ち、5月18日付でさらに「求釈明申立書」を提出していた。

東京地裁は、同申立書を受けて、第1回期日で、(a)緊急事態宣言が解除される3日前に時短命令が出された経緯・理由、(b)最終的に時短命令が出したのが、7事業者32店舗(うちグローバルダイニングが26店舗)となった経緯・理由を説明する文書を提出するよう、都に求めた。

●休業命令に従わないことについて「過料の話はまだない」

グローバルダイニングは5月18日、訴訟で争われている3月の時短命令とは別に、酒類の提供を続けている飲食店など33施設に都が出した休業命令などについて、このうち23店舗が同社のものだったと発表した。命令には従わず、営業を継続している。

同社はこれまで「要請は任意に選択できるから従わない、命令は法的な義務だから従う」としてきたが、休業命令については方針転換した。

緊急事態宣言の延長論も取りざたされているが、期日後に都内で会見を開いた長谷川社長は、「延長されても、同じ対応で(営業を)続けていきたいと考えている」と話した。

休業命令については、都から措置命令書が届いた段階で、過料を課すなどの話は現時点ないという。

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