熊本県弁護士会(東健一郎会長)は、国選弁護制度の基礎報酬や各種弁護費用が「極めて不十分」だとして、その抜本的な改善を求める会長声明を発表した。
「国選弁護制度の崩壊は目の前に迫っている」と危機感を示し、報酬水準の低さが担い手確保を困難にしているとうったえている。声明は7月14日付。
●「一生懸命やればやるほど弁護人の生活が脅かされる水準」
国選弁護は、経済的な理由などで自ら弁護人を選任できない被疑者や被告人のための制度。
声明は、現行の報酬について「語弊をおそれずに言えば、『一生懸命やればやるほど弁護人の生活が脅かされる水準』である」と厳しく批判。
この20年で消費者物価指数は約18%、最低賃金は60%以上上昇したにもかかわらず、「これらの事情は報酬基準に何ら具体的に反映されていない」と指摘している。
さらに被害者との交渉や当事者鑑定など「報酬に十分に反映されない弁護人の活動があまりに多すぎる」とし、「これは『弁護士報酬』の問題ですらない。『実費』の問題である」とうったえた。
そのうえで、「社会的インフラとしての国選弁護制度が機能不全に陥ると、最終的に不利益を被るのはある日突然刑事手続の当事者となり得る市民一人ひとりである」と警鐘を鳴らしている。
熊本県弁護士会は、国会や法務省、財務省などに対し、抜本的な改善を求めている。