横浜市や東京都町田市で通行人を次々と襲った連続強盗など計16件の事件で、強盗致傷や窃盗、傷害などの罪に問われた松本直人被告人に対し、横浜地裁(柴田誠裁判長)は7月16日、懲役11年(求刑15年)を言い渡した。
●少年らと16件の事件を繰り返す
判決によると、松本被告人は2024年10月から12月にかけて、友人である高橋瑠己(るき)受刑者(懲役11年が確定)や後輩の少年らとともにバイクで移動しながら、通勤中の男性ら4人の頭をヘルメットで殴って現金を奪う路上強盗を繰り返した。
さらに、神奈川県内や都内のコンビニ、リユースショップ、質店で窃盗を重ねたほか、高橋受刑者とともに犯行グループの少年に暴行。その後はウーバーイーツの配達員を呼び出し、金属バットで襲って現金を奪おうとした。
●裁判長「被告人の更生意欲に期待する」
判決で、柴田裁判長は次のように指摘した。
「被告人は少年時代に恐喝や窃盗により保護観察に付された前歴が複数あるにもかかわらず、より重い罪を重ねており、その更生のためには、犯罪に対する意識や人間関係などを根本的に改める必要性があることが明らかで、深刻な懸念があることは否めない」
一方で、松本被告人が20代と若く、出所後は父親が同居して更生を支えると法廷で証言したことなども考慮。
「刑を具体的に大きく左右するほどの力を持たせることはできないが、当裁判所は、これらの被告人の更生に関わる事情も十分に踏まえつつ、被告人の更生意欲に期待して、主文の刑を量定した」と述べた。
●少年グループ内の役割は?
裁判の争点の一つとなったのは、少年グループ内での松本被告人の立場だった。
高橋受刑者と松本被告人は同じ学年の友人で、一連の事件ではともに主犯格とされた。
実行役だった少年Aは「松本被告人に逆らえなかった」と証言したが、松本被告人は法廷で、「(犯行を)無理やりやらせたことはない」と否定していた。
判決は、「被告人が命令して無理やり未成年のAに各犯行を実行させたとまでは認められない」としながらも、「実行犯のAと同等か、それより重い非難が妥当する」と判断した。
●犯行の理由は「黙秘します」
一方、1カ月半という短期間で16件もの事件を重ねた理由については、最後まで明らかにならなかった。
高橋受刑者は自身の裁判で、反社会的組織の関係者とのトラブルがあり、示談金200万円を払う必要があったことから、犯行を繰り返していたと証言している。
しかし、松本被告人は動機について「黙秘します」と繰り返し、語ることはなかった。
松本被告人は裁判前、被害者らに謝罪の手紙を送っているが、受け取りを拒否されている。弁護人によると、被害者らは強い怒りを覚えており、厳しい刑事処分を望んでいたという。
法廷では、高橋受刑者が懲役11年の判決を受けたことについて、「重いと思いました」と語っていた松本被告人。
今回、自らにも同じ懲役11年の判決が言い渡された今、その重さをどう受け止めているのだろうか。