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2020年03月01日 09時23分

駐車場の車の中で寝ていただけなのに「酒気帯び運転」といわれた!どうすればいい?

駐車場の車の中で寝ていただけなのに「酒気帯び運転」といわれた!どうすればいい?
写真はイメージです(sasaki106 / PIXTA)

「コンビニの駐車場に駐めていた車の中で寝ていたら、酒気帯び運転といわれた」。弁護士ドットコムにこのような相談が寄せられています。

相談者は、食事をするためにコンビニの駐車場に車を停めました。そして食事をするために居酒屋に行き、ついついお酒を飲んでしまったそうです。そこで、コンビニの駐車場に停めた車の中でしばらく睡眠を取ることにしました。

ところが、1時間ほどすると、警察がやってきて、アルコール検知をすることに。結果は「0.3」をこえており、「赤切符を切る」と言われたそうです。

「駐車場で寝ていただけなのに」と相談者は納得していない様子です。このような場合、異議を申し立てることはできるのでしょうか。清水卓弁護士に聞きました。

●「酒気帯び運転」とは?

ーーそもそも、法律上「酒気帯び運転」とはどのような行為のことをいうのでしょうか

「道路交通法(以下、『道交法』)は『何人も、酒気を帯びて車両等を運転してはならない』(65条1項)と規定しています。

そして、『第65条(酒気帯び運転等の禁止)第1項の規定に違反して車両等を運転した者で、その運転をした場合において身体に政令で定める程度以上にアルコールを保有する状態にあつたもの』は『3年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する』(117条の2の2第3号)としています。

政令で定める身体に保有するアルコールの程度は、『血液1ミリリットルにつき0.3ミリグラム』または『呼気1リットルにつき0.15ミリグラム』とされています(なお、呼気1リットル中に0.15~0.25ミリグラム未満の場合は反則点数13点で免許停止、0.25ミリグラム以上の場合は反則点数25点で欠格期間2年の免許取消しの対象となります)」

●駐車中の車で寝ていただけで「酒気帯び運転」になる?

ーー相談者はアルコール検知の結果、呼気1ミリリットル中に「0.3ミリグラム以上」のアルコールが検出されたようです

「この場合、酒気帯び運転が規制対象としている量のアルコールを身体に保有していたことになります。そこで、酒気帯び運転に該当するか否かを検討するにあたり、駐車場に駐めていた車の中で寝ていただけで『運転した』といえるのかが問題となります」

ーーどのような状態であれば「運転した」といえるのでしょうか

「道交法上、『運転』とは、『道路において、車両等をその本来の用い方に従つて用いること』(2条1項17号)をいいます。『本来の用い方に従つて用いる』の意味については、つぎのような裁判例があります。

【最高裁昭和48.4.10判決】 <自動車の本来的機能及び道路交通法の立法趣旨に徴すると、駐車中の自動車を新たに発進させようとする場合において、右にいう自動車を『本来の用い方に従つて用いた』のは、単にエンジンを始動させただけでは足りず、いわゆる発進操作を完了することを要し、かつ、それをもつて足りるものと解するのが相当である>

この判例から考えると、駐車中の車の中で単に寝ていただけであれば、エンジンの始動すらしておらず、『発進操作を完了』したとはいえません。よって、『運転した』とはいえず、酒気帯び運転として処罰することはできない(処罰の前提となる立件もできない)ことになります」

●「酒気帯び運転をしていない」ことを立証するには?

ーー相談者は居酒屋でお酒を飲んだ後は車を運転していないようです。警察はこのことを信じていないように思われますが、「酒気帯び運転をしていない」ことを主張するためには、どのような証拠が必要になるでしょうか

「今回のケースでは、コンビニの防犯カメラ映像に相談者の車がハッキリと映っていたとのことなので、その映像が相談者が酒気帯びの状態で車を運転していないことの有力な証拠になると思われます。

このほか、飲食したお店のレシート、同席者やお店の人の証言、コンビニに入店して買い物をしていた場合にはそのレシートなども飲酒後には運転をしていないことを裏付ける証拠となり得るでしょう」   ーー「赤切符」について異議を申し立てることはできますか

「赤切符は、交通違反事件のうち交通反則通告制度(いわゆる青切符による処理)が適用されない事件で用いられ、刑事手続きの一環の書類のことをいいます。

正当な言い分があるにもかかわらず、赤切符を切られてしまったようなケースでは、その後に予定されている刑事手続きの中で、上述したコンビニの防犯カメラ映像などの証拠に基づき、『酒気を帯びた状態で車を運転していない』ことを明らかにしていくことになるものと思われます。

なお、まったく言い分を聞こうとしないなど、警察の対応にずさんなところがあると思われる場合には、可能であれば、スマートフォンなど録音機能のある機器で一連のやりとりを録音し、証拠化しておくとよいでしょう」

取材協力弁護士

清水 卓弁護士
東京の銀座にある法律事務所の代表を務め、『週刊ダイヤモンド(2014年10月11日号)』で「プロ推奨の辣腕弁護士 ベスト50」に選出されるなど近時注目の弁護士。交通事故分野などで活躍中。被害者救済をライフワークとする“被害者の味方”。

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