退職交渉をめぐり、有償で法律事務の周旋を受けたなどとして、運営会社や弁護士が弁護士法違反などの罪に問われた「退職代行モームリ」事件で、東京地裁(村田千香子裁判官)は10月7日、弁護士法人「みやび」に罰金200万円と、預金債権のうち146万1840円の没収(求刑同じ)、同法人代表の佐藤秀樹被告人に懲役2年、執行猶予3年(求刑:懲役2年)の有罪判決を言い渡した。
判決理由で村田裁判官は、約9カ月で計89人の周旋を受けたことについて「弁護士に対する社会の信頼を害しかねない」と指摘した。
さらに、アフィリエイト広告の委託料と装って146万円余りを支払った手口について、巧妙で悪質だと評価。「弁護士でありながら自らの利益を優先し、法の遵守を軽視した責任は重い」と断じた。
一方で、佐藤被告人がいずれの犯行も認めて謝罪し、弁護士を廃業する意向を示していることなどを踏まえ、刑の執行を猶予した。
弁護士法7条は、禁錮以上の刑に処せられた者を弁護士の「欠格事由」としている。今回の判決が確定すれば、佐藤被告人は弁護士資格を失うことになる。
この事件では、モームリの運営会社「アルバトロス」の顧問弁護士だった梶田潤被告人も起訴されている。一審の東京地裁は懲役1年6カ月、執行猶予3年の有罪判決を言い渡しており、梶田被告人は控訴している。