子どもの習い事のコーチと「W不倫」をしたら、保護者に言いふらされてしまった――。そんな女性からの相談が、弁護士ドットコムに寄せられています。
相談者によると、不倫相手は子どもが所属するチームのコーチ。ところが、その関係をチームの保護者に知られてしまい、「不倫していたらしい」と周囲に言いふらされるようになったといいます。
いづらくなった相談者は、ついにチームを辞めることになりました。
「自分が悪いのですが」と非を認めつつも、納得できないのが、不倫というプライベートな事情を周囲に広められたことです。
たしかに不倫をしたこと自体は事実だったとしても、それを第三者が言いふらすことまで許されるのでしょうか。濵門俊也弁護士の監修のもと、解説します。
●「本当のこと」でも慰謝料請求の可能性
不倫が事実だからといって、誰にでも自由に言いふらしてよいわけではありません。
他人の社会的評価を低下させる事実をみだりに第三者へ広めれば、民事上の「名誉毀損」として不法行為にあたり、慰謝料などの損害賠償を請求される可能性があります。
また、私生活上の秘密を無断で暴露されたとして「プライバシー侵害」に基づく慰謝料請求の対象になる可能性もあります。
慰謝料が認められるか、またその金額については、どのような内容を、誰に、どれくらいの範囲で伝えたのか、どの程度の精神的苦痛や社会生活上の影響が生じたのかといった事情を踏まえて判断されます。
●チーム運営や子どもに影響していた場合は?
一方で、今回の不倫相手は「子どもの習い事のコーチ」です。
たとえば、コーチが指導者としての立場を利用して保護者と関係を持っていたり、不倫関係によってチーム運営や子どもたちへの指導に具体的な影響が生じていたりした場合には、他の保護者らに知らせる必要性があったとして違法性が否定される余地もあります。
●警察に告訴できる?
さらに、刑事上の名誉毀損罪が成立する可能性もあります。
「本当のことだから言っても大丈夫」「不倫した本人が悪いのだから仕方ない」と単純に割り切れる問題ではありません。
不倫をしたことへの責任とは別に、その事実を必要以上に言いふらす行為については、民事・刑事双方の責任が生じる可能性があります。