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田代まさしさん「職務質問にあった」と投稿、尿検査の“強要”は法的に許される?
画像はイメージです(ぱんだ / PIXTA)

田代まさしさん「職務質問にあった」と投稿、尿検査の“強要”は法的に許される?

元タレントの田代まさしさんが6月17日、自身のインスタグラムで、警察官から職務質問を受け、その後に「尿検査を強要された」と投稿し、大きな反響を呼んでいる。

●「薬物事犯は再犯率が高い」という理由で

田代さんは、薬物依存症の回復支援に取り組むNPO法人で定期的に薬物検査を受けており、その前日にも陰性だったことを報告していた。

しかし翌日、高円寺駅で職務質問を受け、「薬物事犯は再犯率が高い」という理由で派出所まで連れて行かれ、尿検査を“強要”されたという。

一方で、「これも受け入れる道筋なのかなと思い、ご協力させて頂きましたが」ともつづり、検査結果は陰性だったとしている。

SNSでは「応援しています」「めげずに頑張って下さいね」といった励ましの声が寄せられる一方、警察の対応は「当然だ」という意見もみられる。

では、職務質問で尿検査を求めることは、法律上どこまで認められているのだろうか。

●過去の薬物事犯歴が職務質問のきっかけになることも

職務質問は、警察官職務執行法2条1項に基づく警察活動で、犯罪を予防し、公共の安全を維持するための「行政警察活動」に位置づけられる。

そのため、この段階では具体的な犯罪の捜査を目的とするものではなく、「何らかの犯罪に関わっている可能性」が認められれば足りると考えられている。

このため、過去の薬物事犯歴などをきっかけに職務質問がおこなわれることも、実務上は珍しくない。

田代さんは過去に覚せい剤事件で逮捕され、有罪判決を受けた経緯がある。

ただし、それだけで薬物事件の捜査として、より踏み込んだ措置まで正当化されるわけではない。

●尿の提出は「任意処分」として適法かが問題に

一方、尿の提出を求める場面では、法律上の検討は別になる。

薬物事件で警察が尿の提出を求める場合、本人が自由な意思で応じるのであれば問題はない。しかし、本人が嫌がっているのに執拗に提出を求めるようであれば、それはもはや行政警察活動ではなく、具体的な薬物使用の嫌疑に基づく司法警察活動といえる。

当然ながら、薬物の前科がある、というだけでは、具体的な嫌疑として十分とはいえない。 ただ、本人が拒否した場合でも、直ちに違法になるわけではない。警察官による説得や同行の求めが、「任意処分」として許される範囲にとどまるかどうかが問題となる。

裁判例では、尿の提出を求める必要性や緊急性(薬物犯罪の嫌疑がどの程度具体的に認められたのかや、その場で採尿を求める必要があったのか、ほかの方法では対応できなかったのかなど)と、本人が受ける権利侵害の程度を比較し、具体的な状況の下で相当といえる限り、適法になり得ると考えられている。

一方、その限度を超えて事実上強制されたと評価されれば違法となり、さらに実質的に強制採尿に当たる場合には、令状がない以上、許されない。

●違法かどうかは「強要された」と感じたことだけでは決まらない

田代さんは投稿で「尿検査を強要された」と受け止める一方、「これも受け入れる道筋なのかなと思い、ご協力させて頂きました」とも振り返っている。

しかし、法的に違法と評価されるかどうかは、「強要された」と感じたかどうかという本人の受け止めだけで決まるものではない。

今回のケースでは、警察がどのような事情から尿の提出を求め、どのような経緯で田代さんが応じたのかといった事実関係が明らかではない。

そのため、警察の対応が適法だったか、違法だったかを判断することは難しい。

この記事は、公開日時点の情報や法律に基づいています。

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