日本にある外国大使館などが使用する「外交官ナンバー」の車による駐車違反をめぐり、放置違反金が支払われないまま時効を迎える「不納欠損」となった件数が、2023年度は3833件、2024年度は2793件に上っていたことが、弁護士ドットコムニュースの情報公開請求でわかった。
国別では、いずれの年度もロシアが最多で、全体の半数以上を占めていた。
●ウィーン条約で「外交官の車両」には強制執行できず
放置違反金は、運転者が特定できない違法駐車について、車の使用者に納付を命じる制度だ。
納付に応じない場合は督促を経て、財産の差し押さえなどの滞納処分がおこなわれる。しかし、日本国内の外国大使館で働く外交官らには、ウィーン条約に基づく特権が認められているため、こうした強制執行はできない。
このため、放置違反金を徴収できないまま消滅時効を迎えるケースがあり、警察当局はこれを「不納欠損」として計上している。
別表1。「外交団車両にかかる不納欠損件数(上位10カ国)」(開示文書をもとに弁護士ドットコムニュース作成)
●不納欠損は「ロシア」が突出
弁護士ドットコムニュースは今年5月、警察庁と外務省に対し、外交官ナンバーの不納欠損数などがわかる文書について情報公開請求を実施。7月に該当する行政文書が開示された。
開示された文書によると、不納欠損件数の上位10カ国は別表1の通り。
国別ではロシアが突出して多く、全体に占める割合は2023年度が63.1%、2024年度が56.7%だった。
都道府県別では、両年度ともに警視庁管内が約9割を占めていた。
別表2。2023〜2025年における「外交団車両に対する放置車両確認標章取付件数」の上位3カ国(開示文書をもとに弁護士ドットコムニュース作成)
●駐車違反の張り紙、2025年は中国が最多
駐車違反で取り締まりを受けたことを示す「放置車両確認標章」の取付件数の上位は、別表2の通り。
放置車両確認標章(アルミ / PIXTA)
2023年と2024年はロシアが最多だった。一方、2025年は中国が22件で最も多く、インドネシアが17件、ロシアが14件と続いた。