「彼とは嗜好は似てますが、それまでの経緯や考え方などはかなり真逆なので、ぜひあなたにも知ってもらいたい」
弁護士ドットコムニュースが1月23日、記事<「再犯しない自信はない」子どもへの性加害を重ねた元保育士 獄中で語った「日本版DBS」の抜け穴>を配信したところ、記者のもとに1通のメールが届いた。
送り主は、13歳未満の子どもにしか興味がない小児性愛者の「純粋型」を自認する男性だ。「合法的に性欲を満たす手段がない自分にとって、犯罪は宿命です」。そう語り始めた彼への取材から、見えてきたものとは。(弁護士ドットコムニュース・一宮俊介)
<*注意*この記事には、気分を悪くしたり不快にさせたりする可能性がある記述がありますが、テーマの性質上、ありのままの言葉を伝えることが重要と考えて掲載しています>
●「性欲の対象は、オムツが取れてから陰毛が生えるまで」
「記事に付いたコメントを見ると、『小児性愛者になるのは虐待やいじめなどが原因』といった書き込みがあったんですけど、私はまったく違う。変な誤解が広まるのは嫌だなと思って、連絡したんです」
取材の冒頭、男性はそう切り出した。彼もまた、過去に未成年への性加害事件を起こし、有罪判決を受けた経験者だ。
「小児性愛者には、大人も対象にできる『混合型』と、私みたいに13歳未満の子どもにしか興味がない『純粋型』がいます。私の性欲の対象は、オムツが外れてから陰毛が生えるまでの3、4歳から11、12歳まで。性別は問いません。第二次性徴を迎えた後の子どもには、興味がないんです」
男性は、自身の性的嗜好を独特の表現で説明する。
「よく『毛を剃った人ならいいのか』と聞かれることがあるんですが、とにかく陰毛が無理なんです。たとえるなら、カビと同じに見える。カビが生えてきた食べ物からカビだけを取り除いても食べられないじゃないですか。毛が生えたという『事実』がもう無理なんです。
私にとって成人女性と成人男性はまったく一緒です。大人はどうあがいても無理。成人女性とセックスするのは拷問でしかない。逆に自分がレイプされるくらいの感じです」
●「弟の同級生」を追った小学生時代
振り返れば、小学4、5年生の頃にはすでに「同級生にまったく興味がなかった」という。
「数学年下の弟の同級生には興味がありました。学校で遠足に行ったときなどの写真が廊下に張り出されて好きな写真を買えるようになっていたんですが、そこで弟の同級生の写真を追うことがありました」
当初は「ただの年下好きだ」と思っていた。しかし、自身の成長とともに自覚が芽生える。
「学年が上がっても好きな対象の年齢が比例して上がってこなかった。どう頑張っても小学5、6年までで、中学生の壁は超えられませんでした。中3の頃、自分は小児性愛者なんだなと気づきました」
1月23日に配信した記事で取り上げた元保育士の手紙(2025年12月、東京都内で、弁護士ドットコムニュース撮影)
●16歳で初めて性加害、親は家系図を調査
周囲が好きな女優の話題になっても、一切ついていけなかった。アダルトビデオにも興味は湧かない。
そして高校生だった16歳のとき、初めて事件を起こした。未就学の男の子にわいせつ行為をし、少年院に送られた。
「初めて自慰行為をしたのは大学生になってからだったんですが、少年院で『自慰行為よりも性加害のほうが早い人は相当珍しい』と言われました。成人に興味がない自分には、自慰行為を学ぶ機会はありませんでした」
家族は、事件化によって初めて息子の“異常性”を知ることになった。
「両親は、私が捕まったことに加えて、数年前から私が小児性愛者だったことに気づけなかったことがショックだったようです。食事が喉を通らなかったと話していました。そして、何か遺伝的な原因があるんじゃないかということで、家系図を5代前くらいまで遡って調べましたが、私のような異常がある人はいなかったそうです」
小児性愛は、親からの遺伝など先天性のものでも、生まれ育った環境や経験による後天性のものでもない。男性は繰り返し、そう強調した。
●「反省」ではなく「損得勘定」による自制
男性は幼少期から成績優秀だった。事件を起こしたことで学業に約1年のブランクが生じたものの、少年院を出て間もなくして有名大学に合格した。
大学進学後、しばらくの間は加害行為を控えていた。だが、それは「反省」というよりも、「損得勘定」によるものだったという。
「卒業までは絶対に手を出さないと決めていました。高校は退学になって、高卒認定試験を経て大学に行ったので、中卒の自分と大卒の自分を天秤にかけたら、どっちが得か明らかですから。『見つからなければいい』ではなく、『見つかったときのリスク』を計算しただけです」
●「幼女と性行為せずに死ねない」と断言
大学卒業後、男性は教育関係の会社に就職した。仕事で関わりがあった子どもに性加害を加え、有罪判決を受けた。
彼にとって、性欲を満たす対象は子ども以外に存在しない。漫画やアニメにも興味がないという。しかし、児童ポルノの所持や製造は重大な犯罪だ。
「私には合法的に性欲を満たす手段がありません。法律が自分の性質に合っていない以上、犯罪は『宿命』なんです。常に頭の端っこには、いつか捕まる自分の姿がある。いずれ刑務所に行くと考えると、何もやる気が起きません」
男性は淡々とした口調で、恐るべき言葉を続けた。
「小学生や幼稚園児の女の子との性行為を一度もせずには死ねません。未遂で捕まるのが最悪なので、必ず最後まで実行できる時にします。死ぬまでには絶対やると思います。
子どもの成長って待ってくれないんですよ。ある小学生の子がかわいいと思っても、数年後には私の対象から外れてしまう。
だから、法律を厳罰化しても、『値上げ前に買いだめ』するのと同じで『今のうちにやらなきゃ損だ』と。逆に危なくなると思います」
男性は「私には合法的に性欲を満たす手段がありません」と話した(2026年1月、東京都内で、弁護士ドットコムニュース撮影)
●「本人が悪いという偏見を持たないで」
こうした男性の告白は、世の中の多くの人にとって、到底受け入れがたいものだろう。
反射的に「彼のような存在を認めてはいけない」と拒絶反応を示す人が大半かもしれない。実際に、同じ小児性愛の傾向があっても、生涯、加害に及ばず苦悩しながら生きる人もたくさんいる。
社会からどう見られるかは、男性も自覚している。それでも取材に洗いざらい語ったのは、「善悪」ではなく、まずは「事実」を知ってほしいからだという。
「世の中には、子どもにしか興味を持てない人がいる。私みたいに、いじめや虐待などと無縁で、性教育をしっかり受けていて、アダルトコンテンツを一切見ず、異性と適度な関わりを持っていても、小児性愛者になる人はいます。
なりたくてなっているわけではありません。突然こうなったというだけなんです。それは対策しようがありません。あなたも私のようになっていたかもしれないし、あなたの子どもがそうなっていたかもしれない。
あたかも『その本人が悪い』という偏見を持たないでほしい。そして、私のような『純粋型』の存在を知ってほしい」
男性は最後に、記者へこう言い残した。
「もし記事にするなら、救いようがあるというようなまとめ方を無理にしなくてもいいですよ」