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「忖度するな!」 市民グループ、黒川前検事長の起訴もとめる
会見を開いた藤田高景さんら(2020年12月28日、東京都内、弁護士ドットコム撮影)

「忖度するな!」 市民グループ、黒川前検事長の起訴もとめる

東京高等検察庁の黒川弘務前検事長に対する「公正な処分」を求めて検察審査会に申し立てていた市民グループが12月28日、「検察は政権に忖度することなく、法と正義に則って黒川元検事長を起訴すべきだ」との緊急声明を発表した。

市民グループは2020年6月、黒川氏が緊急事態宣言下に新聞社社員ら3人と現金を賭けたマージャンをおこなった疑いがあるとして、常習賭博の疑いで刑事告発していた。

しかし、同年7月に「不起訴処分」となったため、検察審査会への申し立てを実施。これを受け、東京第6検察審査会は、黒川氏を賭博罪について「起訴相当」と議決していた(議決は12月8日付、議決書送達は同24日)。

会見した市民団体『菅政権による検察・行政の強権支配を糺す会(安倍首相による検察支配を許さない実行委員会)』の藤田高景代表は、検察審査会の議決を「真っ当な結論」と高く評価した上で、「厳正な処分が必要」として黒川氏の起訴実現を訴えた。

●黒川氏、常習賭博ではなく単純賭博で「起訴相当」

東京第6検察審査会は、黒川氏について、賭博の被疑事実は「起訴相当」、収賄の被疑事実は「不起訴相当」と判断。また、新聞社社員ら3人について、賭博の被疑事実は「不起訴不当」、収賄の被疑事実は「不起訴相当」とした。

検察審査会への申し立ての代理人をつとめた大口昭彦弁護士は会見で、「違法不当な事案に対して、社会のしかるべき規範が貢献的に示されたものとして評価できる」という。一方、主張していた常習賭博の疑いが否定されたことについては「全く誤っている。極めて遺憾」と話す。

「起訴相当」の議決を受けて、検察による再捜査が開始される。大口弁護士は「ボールは検察に投げ返された。東京地検はどう応えるのか、検察を監視する姿勢を決して緩めてはならない」と語気を強めた。

●「『検察首脳には甘い処分』というのは許されない」

検察は7月、黒川氏を不起訴処分とした理由として、(1)常習性は認められない、(2)掛け金も少額で違法性がない、(3)すでに社会的制裁も受けている、という3点を挙げていた。今回の緊急声明では、これら理由について「いずれもまったく失当であり誤り」とあらためて強く批判している。

藤田代表は、第一線の警察官は賭け麻雀で起訴され、自衛官も厳しく処罰されているという過去の事例に言及した上で、「検察首脳には甘いなどというのは到底許されるものではない」とし、黒川氏の起訴を実現し、厳正な処分をすべきと述べた。

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