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2020年10月30日 10時10分

大阪「飛び降り巻き添え」、女子大生の遺族に補償ゼロの可能性 「過失」でも給付制度を

大阪「飛び降り巻き添え」、女子大生の遺族に補償ゼロの可能性 「過失」でも給付制度を
大阪梅田の繁華街(bee / PIXTA、2018年7月撮影)

阪急・大阪梅田駅近くの繁華街で10月23日に起きた痛ましい事故。ビルから飛び降りた男子高校生の巻き添えになり、路上にいた女子大生も亡くなった。

報道によると、男子生徒は従業員専用の通路を通ったり、屋上ドアの内鍵を覆っていたカバーを壊したりして、屋上に出ていたという。自殺とみられているが、遺書はみつかっていない。

亡くなった女子大生は知人と買い物に来ていたといい、ネットでは「かわいそう」「理不尽だ」といったコメントがみられる。

●「犯給金」の可能性

日本テレビ系のニュースでは、飛び降りた男子生徒について、「殺人の疑いも視野に捜査する方針」との報道もなされている。

もしも殺人となれば、「犯罪被害者等給付金」という制度の対象になる可能性がある。犯罪に巻き込まれ、重傷病を負った人や、命を落とした人の遺族らを対象とし、少しでも被害を減らそうとするものだ。

今回のように被害にあった人が亡くなっている場合は、平均約610万円、最高約2490万円の遺族給付金(2019年度実績)がある。被疑者が亡くなり、裁判が行われないような場合でも、要件を満たしていれば支給される。

ただし、「過失犯」の場合、犯給金は支給されない。過去の同種事故を振り返ってみると、兵庫県西宮市(2004年8月)や東京都豊島区(2007年11月)のケースでは、「重過失致死容疑」で被疑者死亡のまま書類送検されている。

今回の事故も同じような処分になる可能性が高いと考えられる。そうなると犯給金は支給されない。

なお、自治体の条例で被害者支援が定められている場合もある。亡くなった女子大生が住んでいた加古川市でも30万円の遺族給付があるが、国の制度同様、過失では給付できないとのことだった。

●交通事故なら最低限の補償があるのに…

それ以外で、女子大生の遺族にどのような補償がありえるか。

たとえば、男子生徒側を相手として民事訴訟を起こすことが考えられる。だが、亡くなった生徒の損害賠償債務を、その遺族が相続放棄してしまったら元も子もない。そもそも、相手側に払えるだけの資力がない可能性もある。

このほか、個人賠償責任保険なども考えられるが、男子生徒側が加入していなかったり、支払いが受けられなかったりする恐れがある。

犯罪被害者支援に取り組む高田淳弁護士は、「過失犯でも、交通事故は最低限の補償が受けられる仕組みがあります。その他の過失犯のときでも受けられる給付やサポートが必要です」と話す。

取材協力弁護士

高田 淳(たかだ・じゅん)弁護士
愛知県弁護士会東三河支部所属。交通・保険事故を多く手掛けつつ、犯罪被害者支援にも取り組む。また、現在は税理士とも連携して中小事業者の支援も積極的に行っている。

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