2019年10月04日 10時31分

「アサヒカメラのカメラマン」名乗り、痴漢はたらく男性出没…編集部が注意呼びかけ

山下真史 山下真史
「アサヒカメラのカメラマン」名乗り、痴漢はたらく男性出没…編集部が注意呼びかけ
アサヒカメラ編集部のツイッターより

「アサヒカメラのカメラマン」を騙る男性が、路上で女性に撮影モデルにならないかと声をかけて、痴漢行為に及ぶ――。写真雑誌『アサヒカメラ』(朝日新聞出版)の編集部がツイッター上で、このような情報が寄せられているとして、注意と情報提供を呼びかけている。

●「アサヒカメラのササキ」を名乗る

『アサヒカメラ』は、アマチュアから写真家までを対象とした総合写真雑誌だ。基本的には、写真家の作品を掲載している雑誌なので、アサヒカメラ編集部が路上で女性に声をかけて撮影することはないという。同編集部は10月1日、ツイッター上に次のような投稿をおこなった。

「都内で最近、『アサヒカメラのカメラマン』または『アサヒカメラのササキ』を名乗る男性が路上で女性に撮影を依頼し、痴漢行為に及んだとされる情報が寄せられています。アサヒカメラ編集部には専属カメラマンはいませんし、そういった撮影は依頼しておりませんのでくれぐれもご注意ください」

アサヒカメラ編集部には、これまで、電話やメール、SNSで、合計20件くらい情報が寄せられているという。ほとんどのケースで共通しているのは、以下のような内容だ。

・60代くらいの小柄な男性が、『アサヒカメラ』のカメラマンを名乗り、「巻頭グラビアの被写体モデルになってほしい」などと女性に声をかける

・女性が断ると、男性は、下半身や太ももを触って逃げる

・声をかけられた女性の中には、男性から電話番号を教えられた人もいる

インターネット上にも、同じような目撃情報があがっている。女性が声をかけられた場所は、池袋や表参道などで、おそらく同一人物によるものだとみられる。

アサヒカメラ編集部には、「モリさんという人はいますか?」などの問い合わせが複数あったことから、『2018年12月号』の編集後記で、注意喚起をおこなった。

男性はしばらくの間、「アサヒカメラのモリ」あるいは「アサヒカメラのモギ」などと名乗っていたが、今年8月ごろからは「ササキ」と名乗りはじめた。

●『アサヒカメラ』前編集長は「佐々木」さん

実は、アサヒカメラ編集部には、今年3月まで「佐々木」という人が在籍していた。同誌の前編集長で、現在、朝日新聞出版・雑誌本部長をつとめる佐々木広人さん(48)だ。佐々木さんは、弁護士ドットコムニュースの取材に「自分の名前が勝手に使われて、非常に腹立たしい」と話す。

つまり、「アサヒカメラのカメラマン」を名乗る男性は、前編集長である佐々木さんの名を騙っている可能性が高いのだ。佐々木さんは「私は、身長178センチあり、ガッチリ体型です。小柄ではありません」「痴漢は大嫌いです。若いころには、痴漢を捕まえたこともあります」と強調する。

佐々木さんは、『アサヒカメラ』の編集長時代、「写真好きのための法律&マナー」という特集を組むなど、撮影にまつわるルールやマナーをとりあげてきた。「『アサヒカメラ』を騙って、女性に声をかけて、痴漢行為に及ぶとは、編集部に対する重大な挑戦だ」と憤る。

●佐々木さん「ぜひ話を聞かせてほしい」

佐々木さんは今年4月から、アサヒカメラ編集部から離れたが、同誌の発行人であるため、「(ササキと名乗られることは)『アサヒカメラ』に不利益を及ぼすものだと判断」し、このほど、ツイッターで注意喚起することになったという。

警察への相談も検討しているが、佐々木さんは次のようなジャーナリスト魂を示している。

「ササキを名乗る男性の話を聞いてみたいですね。あえて『アサヒカメラ』を騙らないと写真を撮れないのか。人物を撮りたい心持ちはどういうものか。もしかすると、写真を撮ることが怖いのか。これらは、アマチュアの写真家に通底する問題だと思います。だから、真面目に話が聞きたい。ぜひ情報提供してほしいです」(佐々木さん)

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